...わしより傲慢不遜な人間が此世にゐたとは信じられぬ...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...そうして自分の命を自分のものと思うのは不遜なことだと気がつきました...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...不遜な蔑視の念をさえ持っていたような気もする...
太宰治 「善蔵を思う」
...――私が急にこんな不遜なことを言い出したのは他の理由からではないので...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...そういう不遜な考えは少しもなかった...
豊島与志雄 「死ね!」
...ユーゴー以来の作家ということが不遜ならば...
中里介山 「生前身後の事」
...この猿どもの不遜な挙動を憎まないわけにはゆかないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分で自分のあり方を客觀的に見ようなどといふ・自然に悖(もと)つた不遜な眞似は止めろ...
中島敦 「かめれおん日記」
...伝統的に不遜な気風を受けつぎ...
久生十蘭 「だいこん」
...今試みに社会の表面に立つ長者にして子弟を警(いまし)め、汝は不遜なり、なにゆえに長者につかえざるや、なにゆえに尊きを尊ばざるや、近時の新説を説きて漫(みだり)に政治を談ずるが如きは、軽躁のはなはだしきものなりと咎(とが)めたらば、少年はすなわちいわん...
福沢諭吉 「徳育如何」
...それは決して不遜な言葉ではないのだ...
牧野信一 「松竹座を見て(延若のこと)」
...稍ともすればそんな風に不遜な考へ方をしようとする自分をかへりみて...
牧野信一 「スプリングコート」
...不遜な自尊心を育くみ...
牧野信一 「毒気」
...そしてその他にはたゞ彼等を上ツ面だけで軽蔑するといふ不遜な心しか持ち合せないのが自分なのか――純吉はそんな妄想に走らうとした鈍い神経を...
牧野信一 「渚」
...あの傲慢不遜な言葉と嬉しそうな顔付とは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...文化に對して不遜な甘え過ぎをしてゐる暴兒の所作に他ならない...
吉川英治 「折々の記」
...「無智不遜なるきょうまでの無礼は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...自分の不遜な気持がたしなめられた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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