...不遇の音楽家が飛びこんで来たり...
芥川龍之介 「奇遇」
...長い間不遇の境地に鬪つて來た人といふ趣きが何處かにあつた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...忠敬の幼時は言わば不遇の境地に置かれていたのでしたが...
石原純 「伊能忠敬」
...時に於てか不遇のために失敗に出会うことは免(まぬか)れぬ...
大隈重信 「現代学生立身方法」
...はなはだ不遇のように見える...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私は埋もれたる無名不遇の天才を発見したと思って興奮したのである...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...いま不遇の地位にいるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...不遇の遊魂を慰めるために...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし不遇の角行燈子が...
中里介山 「大菩薩峠」
...幼時から不遇の地位にあって人の心の裏ばかりを覗いて来たせいか...
中島敦 「盈虚」
...貧苦と不遇のうちに...
野村胡堂 「楽聖物語」
...三十五歳で不遇のうちに死んだモーツァルトの遺産が...
野村胡堂 「楽聖物語」
...いづれも練達巧緻の技量を有しながら兎角に志を得ない轗軻不遇の人々許り...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...大真打のところへ暑寒の挨拶になんぞ行かないとふんぞり返って威張っている不遇の落語家さんがある...
正岡容 「寄席」
...平家二十年の栄花もつかのま、重盛は逝き、相国清盛もようやく老い、福原開港の業成って、日宋交流の途が開かれたよろこびも、一面、不遇の源氏党や、飢餓疫病の年々に苦しむ衆民のよろこびとはならず、治承四年、以仁王を盟主とする源三位頼政らの宇治川合戦を口火として、平家を討たんの声は、澎湃(ほうはい)として、諸国三道の合言葉となった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...画にも運命のある話――流転不遇の三名画落款(らっかん)も印章もないが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...不遇の闇に生涯を送らなければなるまい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...以来不遇の隠士(いんし)同士...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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