...江戸の作者の伝統を引いた最後の一人たる緑雨の作は過渡期の驕児(きょうじ)の不遇の悶えとして存在の理由がある...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...揃(そろ)いも揃って気骨(きこつ)稜々(りょうりょう)たる不遇の高材逸足の集合であって...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...君をしてかかる不遇の生涯を送らしめたその源はといえば...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...世に容(い)れられない不遇の詩人のやうに徒(いたづ)らに苛々(いら/\)した...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...私は埋もれたる無名不遇の天才を発見したと思って興奮したのである...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...且つそれが幾分か不遇の主人をなぐさめる所以(ゆえん)になるだろうと思っていたところが...
中里介山 「大菩薩峠」
...幼時から不遇の地位にあつて人の心の裏ばかりを覗いて來たせゐか...
中島敦 「盈虚」
...フーラー教授はいわば不遇のうちに亡くなったわけである...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...貧苦と不遇のうちに...
野村胡堂 「楽聖物語」
...蕪村は不遇の詩人であった...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...第一に自分を不遇のなかに追いこんでいるのだ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...所有(あらゆる)不幸不遇の人をも吸収して...
福田英子 「妾の半生涯」
...いづれも練達巧緻の技量を有しながら兎角に志を得ない轗軻不遇の人々許り...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...こうした不平不遇の青年落語家の高座を牛込亭に聴いたのはその年の晩秋の一夜だった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...源氏の君さえも不遇の歎(なげ)きがある時代であるのだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...不遇のまゝ終つたらうか...
吉川英治 「折々の記」
...不遇の地におわれて...
吉川英治 「三国志」
...画にも運命のある話――流転不遇の三名画落款(らっかん)も印章もないが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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