...不遇の音楽家が飛びこんで来たり...
芥川龍之介 「奇遇」
...轗軻(かんか)不遇の情...
芥川龍之介 「「鏡花全集」目録開口」
...長い間不遇の境地に鬪つて來た人といふ趣きが何處かにあつた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...五年前に不遇の中に易簀(えきさく)してしまったが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...揃(そろ)いも揃って気骨(きこつ)稜々(りょうりょう)たる不遇の高材逸足の集合であって...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...はなはだ不遇のように見える...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...世に容(い)れられない不遇の詩人のやうに徒(いたづ)らに苛々(いら/\)した...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...私は埋もれたる無名不遇の天才を発見したと思って興奮したのである...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...しかし不遇の角行燈子が...
中里介山 「大菩薩峠」
...独創の気というものは不遇の茨(いばら)の中から開けるものだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...幼時から不遇の地位にあって人の心の裏ばかりを覗いて来たせいか...
中島敦 「盈虚」
...蕪村は不遇の詩人であった...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...深く深く不遇の淵底(えんてい)に沈み...
福田英子 「妾の半生涯」
...いづれも練達巧緻の技量を有しながら兎角に志を得ない轗軻不遇の人々許り...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...吁(ああ)この不遇の人、不遇の歌...
正岡子規 「曙覧の歌」
...源氏の君さえも不遇の歎(なげ)きがある時代であるのだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...画にも運命のある話――流転不遇の三名画落款(らっかん)も印章もないが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...不遇の闇に生涯を送らなければなるまい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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