...つつましやかな過不足のない生活をながめると...
有島武郎 「或る女」
...お繁さんに不足のない様な人は無造作にはあるまい...
伊藤左千夫 「浜菊」
...神様の一人息子が着るのに不足のないものだつた...
薄田泣菫 「茶話」
...ただし彼は効果を考えて過不足のないタッチを按配する器用な芸術家ではない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...杉は今では御父子も御役にて何も不足のない中なれば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...何として一つ不足のないあの殿様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...さて結婚をしてみると夫の方では金に不足のない身ではあるし...
夏目漱石 「創作家の態度」
...彼は何ひとつ不足のない栄耀栄華な生活を未来に夢見ていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あらゆる不足のない福徳を...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...鬱憤を晴らすには不足のない相手だぞ!」とダニーロは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...薄紗(ダンテエル)だの何だのと不足のない世帶を持たしてやつた程だつたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そこで母は勇気と切り盛りの巧みさと精励とで何一つ不足のないやうに家政をやり繰りして...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...不足のない暮らしができるのですから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...典型的な姫君というのに不足のない人で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...衣食住に不足のない暮しがしたい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...久太郎秀政の前に立たせて不足のない敵だ...
吉川英治 「新書太閤記」
...優に独立したべつの一長篇小説で主人公として書かれるのになんら不足のない御性格の持ち主だったことをこの時の行動がよく立証していると思う...
吉川英治 「随筆 新平家」
...「相手にとって不足のないものだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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