...お繁さんに不足のない様な人は無造作にはあるまい...
伊藤左千夫 「浜菊」
...過不足のない程度に心配相な顔をして...
江戸川乱歩 「心理試験」
...ただし彼は効果を考えて過不足のないタッチを按配する器用な芸術家ではない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...どうかこうか不足のない月々の生活を支えていた...
徳田秋声 「爛」
...何一つ不足のない夫を持った妻としての自分を示さなければならないとのみ考えている彼女は...
夏目漱石 「明暗」
...家柄も人品も不足のない人物ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...強(したた)かな四十男で押にも力にも不足のないのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物質に不足のないだけで...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...鬱憤を晴らすには不足のない相手だぞ!」とダニーロは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...薄紗(ダンテエル)だの何だのと不足のない世帶を持たしてやつた程だつたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そこで母は勇気と切り盛りの巧みさと精励とで何一つ不足のないやうに家政をやり繰りして...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...彼女は全く此の老母を自慢させるに不足のない女だつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...相手をするに不足のない思い上がった娘であることがわかってきて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...不足のない身分は持っているのであるから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何不足のない国々で...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...衣食住に不足のない暮しがしたい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「敵として、不足のない敵...
吉川英治 「新書太閤記」
...すこしも不足のない人がらと頷(うなず)ける...
吉川英治 「新書太閤記」
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