...それを得意そうに罵(ののし)ったりするのは作者の不見識(ふけんしき)を示すものじゃないの? あたしはその短篇を読んだ時ほど...
芥川龍之介 「文放古」
...階下(かいか)を通(とほ)ることの危險(きけん)を侵(おか)してまで屋外(おくがい)に逃(に)げ出(だ)さうとする不見識(ふけんしき)な行動(こうどう)は排斥(はいせき)すべきである...
今村明恒 「地震の話」
...此方が不見識のように見えはしないか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうかと思うと一方で立体派や未来派のような舶来の不合理をそのままに鵜呑(うの)みにして有難がって模倣しているような不見識な人の多い中に...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...不見識の罰であらうと諦めました...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...――如き不見識を――阿部正弘さへ暴露しつつあるを見れば――幕府對外の大方針...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...何と不見識で軽はずみなことであるか...
戸坂潤 「社会時評」
...なぜと聞くのは不見識だから黙っている...
夏目漱石 「虞美人草」
...とかく自分の不見識を認めて見識と誇りたがる弊(へい)があった...
夏目漱石 「道草」
...不見識(ふけんしき)ではあるが...
夏目漱石 「無題」
...不見識なことは出來なかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其様(そん)な不見識な事は私の尤も擯斥(ひんせき)する所だったが...
二葉亭四迷 「平凡」
...だが、久保は、此方からそんなことを云つてやるのは、不見識のやうで、堪へずには居られなかつた...
牧野信一 「階段」
...二百年たつても三百年たつてもその糟粕(そうはく)を嘗(な)めてをる不見識には驚き入(いり)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...二百年たっても三百年たってもその糟粕(そうはく)を嘗(な)めて居る不見識には驚き入(いり)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...碧梧桐調は専売特許の如き者いち早くこれを摸して世に誇らんとするは不徳義といはんか不見識といはんか況(ま)してその句が平々凡々「も」の一字によりて毫(ごう)も価を増さざるをや...
正岡子規 「墨汁一滴」
...その不見識というか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ただ今お見え遊ばしているお客様がご承知してくださいませぬ」「――不見識な」と紹由は...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索