...何不自由のない身の上となったが...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...何も結構な家に生れて世過(よす)ぎに不自由のない娘をそれほどに教え込まずとも鈍根(どんこん)の者をこそ一人前に仕立ててやろうと力瘤(ちからこぶ)を入れているのに...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...家に落ち着いて暮らしに不自由のない若旦那(わかだんな)になってしまえば...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...万事不自由のないように婦人の身のまわりを処理しておいて...
徳田秋声 「仮装人物」
...老婆には不自由のないように仕送りをしているとの事である...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...お前さんなんぞは何不自由のない一人息子だから...
中里介山 「大菩薩峠」
...同じ事じゃありませんか」「…………」「何不自由のない人が...
中里介山 「大菩薩峠」
...みんな金に不自由のない男だから...
夏目漱石 「それから」
...衣食に不自由のない人が...
夏目漱石 「それから」
...ことに生計向(くらしむき)に不自由のないものが...
夏目漱石 「明暗」
...何一つ不自由のない環境と思い合わせて...
林不忘 「あの顔」
...何も不自由のない生活でありながら...
林芙美子 「浮雲」
...二年ほど前から東京で何不自由のないくらしをしていたのでございます...
平林初之輔 「秘密」
...物質的に不自由のないところから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...すべて不自由のないようにと計らってはおいでになるのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...先生の御不自由のないやうに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...生活に不自由のない人たちには理解ができないであろう...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...不自由のないところにも楽しみ...
吉川英治 「新書太閤記」
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