...ただ筆硯(ひっけん)に不自由するばかりでなく...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...そんな淋しい処では誰かの世話がなくては日常の生活にも不自由するばかりであったろうが...
小泉八雲 田部隆次訳 「常識」
...かみそりがようきれるかな物を粗末にすれば物に不自由する(因果応報だ)...
種田山頭火 「行乞記」
...小遣に不自由するようなことはありませんな」小野田は眠からさめると...
徳田秋声 「あらくれ」
...食ものにもだんだん不自由するようになりました...
豊島与志雄 「長彦と丸彦」
...不自由することがどんなに僅かであるかについてジーモンの説明するのを...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...お君は旅に不自由することなくして東へ下って行くことができました...
中里介山 「大菩薩峠」
...先できつと不自由するなり...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...此處なら前の小屋程水に不自由する事は無いらしい...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...江戸へいって不自由するぜ」「なにをいうの虎吉...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...三年や五年着るものに不自由するとは思へない...
長谷川時雨 「あるとき」
...富(とみ)で買ふ人たちだけが不自由する――そんな劇場の一ツや二ツあつてもよい筈だ...
長谷川時雨 「むぐらの吐息」
...水に不自由するって法はないですね...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...日本のやうに不自由することあらじ...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...ロシア人という奴は決して言葉に不自由することがなく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...用いて不自由なき言葉を用いずして不自由するは...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...友だちのない私はどんなに話対手(あいて)に不自由するのみではなく...
室生犀星 「幼年時代」
...紙に不自由すること...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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