...筆不精な人であるのに海外の寂しい生活の行爲か...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...互ひに不精な口のきゝ方で雑談を始めた...
犬養健 「朧夜」
...不精な答へ方をした...
犬養健 「朧夜」
...たとえば不精な女の汚れものでもなんでもかまわずつめ込んだ押入れをのぞいたみたいな感じで...
高見順 「如何なる星の下に」
...わがままで不精な彼にとって年賀状というものが年の瀬に横たわる一大暗礁のごとく呪わしきものに思われて来たのだそうである...
寺田寅彦 「年賀状」
...なにしろ明治四十四年まで電燈を引かないで石油ランプを点(とも)していたほど不精な自分なのである...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...それとも不精なのか...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...けれども不精なためか或は習癖からか...
豊島与志雄 「小説中の女」
...古い背広に山羊(やぎひげ)、不精な長髪、なんとなく尾羽打枯(おばうちか)らした風体(ふうてい)ですが、いうことは妙に皮肉で虚無的で、そのくせ真剣さがあります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...向柳原の荒物屋の二階を借りて不精な男世帶を持つてゐるガラツ八の八五郎のことを思ひ出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...とかく不精な親分の平次を動かそうというのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その不精な人間をみんな調べ上げるんですか親分」八五郎は酢ッぱい顔をするのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...悲歌は基本的に不精なところがあり...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...豚――でぶでぶ太って不精な――はキャベツの落ちた葉を拾い上げたり...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...彼はまたひどく不精なので...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...そこへ出不精な私がたまたま訪問しようと言うと...
宮城道雄 「耳の日記」
...口不精な役人が二等の待合室に連れて行ってくれた...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...この物ぐさな・不精な・何一つしようとしない・性分も...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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