...われわれが狒々(ひひ)のごとくに生きるべきか人間らしく生きるべきかは少々不確かである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼の前面には何かしら温気(うんき)のある靄(もや)に包まれたやうな、不確かな、だが一歩ごとに物の形の明かになつて来る、汗ばみながらその方へ突進したい気を起させる、あの漠とした未知の世界があつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...しかし不確かな前兆が長くつづいている間にだんだんに何物かが近よって来る...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...信ぜんとする熱烈な欲求――不確かな希望であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...六十歳ぐらいの年齢不確かな謎(なぞ)のような人物が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そんな不確かな事柄に思いをはせるのは大儀だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不確かな初春の気が空気の中や凍った樹皮の下にしみ込んでいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...数人の者が不確かな足取りで砂の小径をぶらついていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...舊譯が不確かで間違で...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...いよいよ以て不確かな記述が出て來るのである...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...手が不確かで、Kは古いドア鍵をすぐには開けられなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...即ち、一方では論理的な、理智的な小説を書きたいといふ欲求、また一方では、不合理、不確かさ、複雜さをもつた生きた人物を描かうといふ欲求、――われわれはその二つの欲求の戰場であるがいい...
堀辰雄 「小説のことなど」
...いま夢みてゐたばかりのごたごたした不確かな事物の間から...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...動向も不確かだとか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...女の記憶が不確かで矢張り発見されなかった...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...「凡ての歴史は不確かで曖昧である...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...どうも時間が不確かでいかん...
三好十郎 「妻恋行」
...彼らは不確かな推量によって察するだけである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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