...触感によって温度や重量の判断をする場合にもいっそう不確かなものである...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...数人の者が不確かな足取りで砂の小径をぶらついていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...舊譯が不確かで間違で...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...不確かな存在に思われてならなかった...
中島敦 「狼疾記」
...面倒臭くて不確かな簪(かんざし)などを振り廻さずに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...絶対的に必要である以上のものを放棄しなかったろうか? 不確かな...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...そして闘争は不確かだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...これらの幾何学的図形の諸観念がこのように厳密ではなく不確かであるので...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...何か實質の無い、不確かなものが、私の希望を絶つてしまつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...半ばまだ不確かなような鼠色(ねずみいろ)に徐々に侵され出しているのを...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...即ち、一方では論理的な、理智的な小説を書きたいといふ欲求、また一方では、不合理、不確かさ、複雜さをもつた生きた人物を描かうといふ欲求、――われわれはその二つの欲求の戰場であるがいい...
堀辰雄 「小説のことなど」
...こんなもやもやした不確かな筋書きが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...「凡ての歴史は不確かで曖昧である...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...「如何なる時代に於ても人間の本質及び起原に關する見解が我々の時代に於けるよりも一層不確かで...
三木清 「歴史哲學」
...自分などよりももっと記憶の不確かな老人が語り伝えて来たことで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まだ何となく不確かなあやふやな信念をおっかなびっくり示すのでは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ある神々は疑わしく不確かである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...鬱屈しストレスに満ちた不確かな時代の空気を割り引いて考えても...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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