...市長があのとき「総監閣下云々」と云ったのは、狼狽して云い間違えたのではなく、不用意にも、その「市長の鍵」紛失事件を黒河内総監には通じて置いた事実を曝露したものではあるまいかと思った...
海野十三 「深夜の市長」
...まあ不用意に俺がここへ持ち出しただけなのだが...
高見順 「いやな感じ」
...不用意にもらす言葉こそ...
太宰治 「道化の華」
...家の前はすぐ深山になっていて不用意には探せない...
田中貢太郎 「美女を盗む鬼神」
...不用意に彼女を救ったと仄(ほの)めかしただけでも爪をたてられ...
田中英光 「さようなら」
...それは主として考えかたの不用意によるものである...
津田左右吉 「日本精神について」
...不用意に取って来た一草一木を机上に置いて一時間のあいだ無言で児童といっしょにひねくり回したり虫めがねで見たりするほうが場合によってははるかに有効な理科教育になるということもありはしないか...
寺田寅彦 「さるかに合戦と桃太郎」
...靴底の縁を誰かが不用意に擦ったためにできた痕だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...どんなに不用意に頁を繰つてゐても...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...又は不用意に使うならば...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...底のぬけた下水道に不用意にはいって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...天下不用意にして遣りそこなうものは悉く賞せずんばあるべからず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...実際志津子さんは腐朽した欄干に不用意に凭れて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...不用意にも写しも取って置かず...
前田多門 「「人間宣言」のうちそと」
...そして不用意に古言を用いることを嫌う...
森鴎外 「空車」
...不用意に敵へ迫った大隅や直義らの兵は...
吉川英治 「私本太平記」
...不用意に立ってしまった...
吉川英治 「八寒道中」
...不用意に闘って感得した敵とはまるでその体(たい)が違う...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??