...そうしてまたその上に不用意な愛によつて子供と云ふ重荷を負はねばならなかつた...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...彼女もまさかに彼女の不用意な一言が...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...戦後の種々の不用意な施設と思慮の足らぬ言論とが更に別のしかたでそれを破壊しようとしたが...
津田左右吉 「歴史の学に於ける「人」の回復」
...不用意な葉子の雑誌や書物や原稿の散らかったあたりに...
徳田秋声 「仮装人物」
...ドイツ語の新刊書を有難がってはいない不用意な私は...
戸坂潤 「読書法」
...之は知能の甚だ不用意な観念論的な概念なのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...久能は不用意な卑屈さで頭をさげていた...
豊田三郎 「リラの手紙」
...しかし、若い青年の心に、この不用意な、若(もし)くは極めて巧みに巧まれた、この言葉が、こうひびくのがどうしておかしかろう...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...黄昏に降りた不用意な旅人のために...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...どんなことがあってもそんな不用意な言いかたはしない...
久生十蘭 「だいこん」
...この不用意な仕草がコワリョーフをかっといきり立たせてしまった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...これまでにあとから訂正したくなるような不用意な文句を書いたことは屡ある...
平林初之輔 「中西氏に答う」
...夫のギルレイは不用意なことがよくありました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...小賢しい焦慮もその不用意な胸や頭を醜く...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...咄嗟(とっさ)では貝ノ馬介は子供のような不用意な声でいった...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...そうなればこんな不用意な口をきくまいと思われたからである...
室生犀星 「童子」
...セウェルス・カッシウスは不用意な時ほど雄弁であり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かつ早婚や不用意な結婚を彼らの間で減少せしめるために...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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