...私はあらためて自分の最初の不用意な一ト言を悔いずにはいられなかった...
上田広 「指導物語」
...明智探偵の不用意な外出を...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...しっきりなしに不気味に揺れている一つの戸口(ドア)を発見してぎょっと――その最も不用意な瞬間に――することであろう...
谷譲次 「踊る地平線」
...母堂の不用意な言葉などは凄かつた...
種田山頭火 「行乞記」
...私はK君との交渉に於て、人間の交際は深入するものでないことを教へられた(親友の場合は特別だ、深入するほど親密なのだ)、浅く交れ――かう事実が教へる、また、かういふ事も知つた、不用意な言行が、時として、どんなに葛藤をひきおこすものであるかを、――つゝましくあれ...
種田山頭火 「其中日記」
...戦後の種々の不用意な施設と思慮の足らぬ言論とが更に別のしかたでそれを破壊しようとしたが...
津田左右吉 「歴史の学に於ける「人」の回復」
...ドイツ語の新刊書を有難がってはいない不用意な私は...
戸坂潤 「読書法」
...おれが送ってやろう」ツイ不用意な言葉が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この不用意な仕草がコワリョーフをかっといきり立たせてしまった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...小賢しい焦慮もその不用意な胸や頭を醜く...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...たしかに不用意なキヤンプ的生活見たいなものだ...
牧野信一 「断唱」
...愚かな伝統を尊重――と云ふより寧ろ単なる不用意な考察で――それで私の名前なるものが制定される...
牧野信一 「痴想」
...そうなればこんな不用意な口をきくまいと思われたからである...
室生犀星 「童子」
...セウェルス・カッシウスは不用意な時ほど雄弁であり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ショコラの軽い舌触りも不用意な久慈の質問で味なく終ろうとしかかったときである...
横光利一 「旅愁」
...督軍の将たる者が不用意な言を発しては困る」成何は恥じ怖れて本陣を辞去した...
吉川英治 「三国志」
...前に「親鸞」を社命で書いたのを不用意な偶然のように申しましたが...
吉川英治 「親鸞の水脈」
...不用意な過ちを冒しているのは...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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