...そうしてまたその上に不用意な愛によつて子供と云ふ重荷を負はねばならなかつた...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...案外君たちは不用意なんだネ...
海野十三 「深夜の市長」
...明智探偵の不用意な外出を...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...たしかに私にも不用意な點があつて...
太宰治 「當選の日」
...母堂の不用意な言葉などは凄かつた...
種田山頭火 「行乞記」
...読者に対して著者の往々不用意な見解を押しつけずにすむという事...
戸坂潤 「読書法」
...殺さるゝものは不用意なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...どんなことがあってもそんな不用意な言いかたはしない...
久生十蘭 「だいこん」
...これまでにあとから訂正したくなるような不用意な文句を書いたことは屡ある...
平林初之輔 「中西氏に答う」
...たしかに不用意なキヤンプ的生活見たいなものだ...
牧野信一 「断唱」
...不用意な私を痛く驚かした...
松永延造 「ラ氏の笛」
...そうなればこんな不用意な口をきくまいと思われたからである...
室生犀星 「童子」
...ロダンの不用意な問は幸(さいわい)にもこの腹藁(ふっこう)を破ってしまった...
森鴎外 「花子」
...老刑事が私を容易に犯人扱いにしようとしないのは、証拠が不十分なままに私を的確な犯人と睨んでいる証拠である……だから何とかして私を狼狽(ろうばい)さして、不用意な、取り返しの付かないボロを出さしておいてから、ピッタリ押え付けようとこころみている、この刑事一流の未練な駈け引きであることが、よくわかった...
夢野久作 「冗談に殺す」
...ショコラの軽い舌触りも不用意な久慈の質問で味なく終ろうとしかかったときである...
横光利一 「旅愁」
...督軍の将たる者が不用意な言を発しては困る」成何は恥じ怖れて本陣を辞去した...
吉川英治 「三国志」
...前に「親鸞」を社命で書いたのを不用意な偶然のように申しましたが...
吉川英治 「親鸞の水脈」
...不用意な過ちを冒しているのは...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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