...たしかに私にも不用意な點があつて...
太宰治 「當選の日」
...母堂の不用意な言葉などは凄かつた...
種田山頭火 「行乞記」
...田舎(いなか)での不用意な荒療治が...
徳田秋声 「仮装人物」
...ドイツ語の新刊書を有難がってはいない不用意な私は...
戸坂潤 「読書法」
...父の賛辞や不用意な言葉だけでも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いつも楊子を持ってたためしがないじゃないか、不用意な奴だな...
豊島与志雄 「慾」
...久能は不用意な卑屈さで頭をさげていた...
豊田三郎 「リラの手紙」
...黄昏に降りた不用意な旅人のために...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...どんなことがあってもそんな不用意な言いかたはしない...
久生十蘭 「だいこん」
...この不用意な仕草がコワリョーフをかっといきり立たせてしまった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...小賢しい焦慮もその不用意な胸や頭を醜く...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...不用意な私を痛く驚かした...
松永延造 「ラ氏の笛」
...セウェルス・カッシウスは不用意な時ほど雄弁であり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それでも不用意なる少年の語の中には...
柳田国男 「山の人生」
...老刑事が私を容易に犯人扱いにしようとしないのは、証拠が不十分なままに私を的確な犯人と睨んでいる証拠である……だから何とかして私を狼狽(ろうばい)さして、不用意な、取り返しの付かないボロを出さしておいてから、ピッタリ押え付けようとこころみている、この刑事一流の未練な駈け引きであることが、よくわかった...
夢野久作 「冗談に殺す」
...ショコラの軽い舌触りも不用意な久慈の質問で味なく終ろうとしかかったときである...
横光利一 「旅愁」
...冗談半分にいってるんじゃないか」と不用意な言を放った...
吉川英治 「三国志」
...かつ早婚や不用意な結婚を彼らの間で減少せしめるために...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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