...それがどんなに粗末な不格好な...
有島武郎 「或る女」
...と言うよりはむしろ小枝に似たある不格好な細長い物体の上に...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...落着の無い不格好な腰付をして...
石川啄木 「赤痢」
...其不格好な頭は黒く膏光(あぶらびか)りがして居る...
石川啄木 「葬列」
...幾度も幾度も杖で此不格好な頭を擲つたものだ...
石川啄木 「葬列」
...不格好な程一杯になつてゐます...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...おれの甲羅はこんなに不格好なのだらうか...
太宰治 「陰火」
...犀(さい)というものがどうにも不格好なものである...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...ふくれたくるぶしと不格好な足がその下から硬直したまま突き出ている...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...塀にうつる影法師は小さな不格好なものになりましたので...
豊島与志雄 「影法師」
...その無意識な不格好なあわれな肉の塊(かたまり)は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これからあなたの黒馬は百倍の力になりますよ」ぴょこんと不格好なおじぎをして...
豊島与志雄 「天下一の馬」
...幼いものは竹藪へつけこんでは落ち葉に交って居る不格好な実を拾っては噛むのである...
長塚節 「太十と其犬」
...舞踏室になくてはならない不格好な飾り物のように...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...義足に趣味を持ち出すと医局からくれる不格好なのでは承知出来ないので...
北條民雄 「癩院記録」
...学校生活についての私のいちばん古い思い出は、霧のかかったようなあるイングランドの村にある、大きな、不格好な、エリザベス時代風の建物につながっている...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...ペガッサスが空中を突進して行って、百ヤード以内に近づいた時、カイミアラはぱっと跳び上って、その大きな、不格好な、毒のある、とてもいやな胴体を、可哀そうに、まともにペガッサスにぶっつけて、力一杯に彼をかかえ込んで、その蛇のような尻尾を結んだように巻いてしまいました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...もとより大仏殿は今のように左右に寸のつまった不格好なものではなかった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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