...それを氣が附かないほどの人間だと思はれるのが不本意なので...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...不本意ながらおはつどのをもらわれたのだそうでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...」「どうやって?」と私は不本意ながらも尋ねる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...偶々その不本意な制限を云い表わす短所であるとも見ることが出来る(ヘーゲルの自己発展や体系は彼の見ようと欲した現実のディアレクティックと彼が取ろうと欲した方法そのものとを裏切るものであった)...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...自分を洞見(どうけん)して時とすると不本意ながらも自責の念を起こさせられるその眼つきに反抗して...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...おそらく不本意ながらであったろう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お銀様も不本意ながらこのままで安んずるほかはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次は不本意ながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不本意ながらあなたとのお約束を果すことができなくなったという意味のことをはなはだ曖昧に吐露した...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...あの人嫌いの老執事は不本意ながらも他の人間と一緒に住んでいて...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...不本意ながら住み付いていたばかりなのだ...
正岡容 「小説 圓朝」
...およそ不本意な生活をその下根な女と六年も続け...
正岡容 「わが寄席青春録」
...いつまでかくてあるも不本意なれば...
宮崎湖処子 「空屋」
...甚だ私としては不本意な次第です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...評論集ばっかりつづくのはいくらか不本意なのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...急な話で今その時間が有りませんので不本意ながら未完成のまま一応読んでいたゞきます...
三好十郎 「おスミの持参金」
...中には衆愚がお前の序文に信頼するから不本意ながら書かせるのだと明言する人もある...
森林太郎 「翻譯に就いて」
...「それゆえ、不本意ながら、今宵はお兄上の菩提寺品川寺(ほんせんじ)へ一先(ひとま)ずお越しなされて、明日ご郷里へお立ちなさるがお身の為であろうと――これも殿よりのお心添えでござる」と、使者の一人が言い足した...
吉川英治 「剣難女難」
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