...深沢も「折角我等を人がましく思いたまいて伯父ごより御添書ありしに学校へも入れ申さぬは不本意なれど...
饗庭篁村 「良夜」
...こんな不本意なことはない」といって...
犬田卯 「一老人」
...不本意ながらおはつどのをもらわれたのだそうでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...私の関心の対象が何物であるかを示す第四の例として、不本意ながら、一つの他愛のない零細な煙のような幻想を叙べねばならぬ...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...お銀様も不本意ながらこのままで安んずるほかはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...不本意ながら御無礼することのあるのは残念だ...
野村胡堂 「胡堂百話」
...不本意なこともさせられたさうですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自分にとっては不本意ながら一種の滑稽感を呼びさまさないではいない...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...不本意ながら力をもって威(おど)し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...もつと不本意なことはこれでもつて當分プルウストに關する手紙を打ち切らなくてはならなくなつたことだ...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...不本意ながら撫子をそのうちお許しすると御約束した以上はそう素気(すげ)なくばかりも出来ないので...
堀辰雄 「ほととぎす」
...いつまでかくてあるも不本意なれば...
宮崎湖処子 「空屋」
...評論集ばっかりつづくのはいくらか不本意なのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そんなことで小さいお嬢さんの消息も聞けないままになって不本意な月日が両方の間にたっていった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わざと黙っている爺いさんは、渋い顔をしている積であったが、不本意ながら、つい気色(けしき)を和げてしまった...
森鴎外 「雁」
...いずれも皆一旦の好意とその後の不本意な...
柳田国男 「山の人生」
...何か不本意な場合に立ったり...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...「それゆえ、不本意ながら、今宵はお兄上の菩提寺品川寺(ほんせんじ)へ一先(ひとま)ずお越しなされて、明日ご郷里へお立ちなさるがお身の為であろうと――これも殿よりのお心添えでござる」と、使者の一人が言い足した...
吉川英治 「剣難女難」
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