...赤銅色の頬には不敵にも...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...ひょっくり現れた伊号一〇一潜水艦は、大胆不敵にも、大混乱を始めている主力艦の後方に浮び上り、永らく中絶していた味方の艦隊との連絡をつけるために、搭載(とうさい)していた飛行機を送り出すと、手際(てぎわ)も鮮(あざや)かに、再び水底深く潜航して行った...
海野十三 「空襲葬送曲」
...トンネルを出ると、大胆不敵にも、ジリジリと警官の方へにじり寄って来る...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...女の身で、子供までつれて、大胆不敵にも、彼女は逃亡したのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...賊は大胆不敵にも人肉名刺によって名乗りを上げている...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...大胆不敵にも大江蘭堂を訪ねて来たのだ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...その時分にはもう、合鍵が間に合って、明智たちは階下へ降りていたが、まさか表玄関から逃げ出しもしまいと、その方は支配人にまかせ、手分けして幾つかの裏口の見張りをしていたのだが、「黒トカゲ」は早くもそれと察したのか、大胆不敵にも、胸を張り、ステッキを振りながら、靴音も高く表玄関を通ってそとに出た...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...これらの邪気が不敵にも奇跡を否定し始めたのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...Kのほうが不敵にも闘いを始めたのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...大胆不敵にも艦首を魔の水門に向けたではないか...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...大膽不敵にもそれを疑ふらしいが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...不敵にも堂々と宣戦布告(ふこく)的な態度を持続している...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...台察児(タイチャル)兄上! ただいま成吉思汗(ジンギスカン)が、不敵にも、単身城へ乗り込んでまいりました...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...不敵にも守備の眼をかすめて...
吉川英治 「三国志」
...大胆不敵にも丞相にまみえ...
吉川英治 「三国志」
...「不敵にも、これへ中入りして来る程の者とあれば、およそ生やさしい敵ではあるまい...
吉川英治 「新書太閤記」
...――かくて、楊雄が家に帰らない夜といえば、線香の火と、この小婢(こおんな)の手びきで、頭巾を眉深(まぶか)にかぶった色坊主が、不敵にも、ほとんど一晩おきに、人妻の秘室へ忍び通うという不義の甘味を偸(ぬす)んでいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あるいは大胆不敵にも...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
便利!手書き漢字入力検索