...木曾の野人のなす所はかくの如く不敵にして...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...赤銅色の頬には不敵にも...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...トンネルを出ると、大胆不敵にも、ジリジリと警官の方へにじり寄って来る...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...その時分にはもう、合鍵が間に合って、明智たちは階下へ降りていたが、まさか表玄関から逃げ出しもしまいと、その方は支配人にまかせ、手分けして幾つかの裏口の見張りをしていたのだが、「黒トカゲ」は早くもそれと察したのか、大胆不敵にも、胸を張り、ステッキを振りながら、靴音も高く表玄関を通ってそとに出た...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...」と龜は不敵に笑ひ...
太宰治 「お伽草紙」
...」ドアをぴたとしめて、青年の顔をちらと見て、不敵に笑い、「うまい! 落ちついていやがる...
太宰治 「火の鳥」
...今一つ思ひきつて更に大膽不敵に...
野上豐一郎 「桂離宮」
...Kのほうが不敵にも闘いを始めたのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...大胆不敵にも艦首を魔の水門に向けたではないか...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...澄んだ青い瞳は大胆不敵に光り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...甚だ不敵になり居ると載す...
南方熊楠 「十二支考」
...けふ見る四五人の長い足は膝頭をいれて大膽不敵に...
室生犀星 「巷の子」
...彼の歌ふ様子には周囲の人々の顔色には少しも頓着せぬ熱心さが大胆不敵に籠つてゐた...
横光利一 「頭ならびに腹」
...大胆不敵にも丞相にまみえ...
吉川英治 「三国志」
...「不敵にも、これへ中入りして来る程の者とあれば、およそ生やさしい敵ではあるまい...
吉川英治 「新書太閤記」
...――かくて、楊雄が家に帰らない夜といえば、線香の火と、この小婢(こおんな)の手びきで、頭巾を眉深(まぶか)にかぶった色坊主が、不敵にも、ほとんど一晩おきに、人妻の秘室へ忍び通うという不義の甘味を偸(ぬす)んでいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...敢て不敵になって...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...あるいは大胆不敵にも...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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