...木村にでも未練があれば知らない事」こういって不敵に笑いながら押し付けるように葉子を見た...
有島武郎 「或る女」
...トンネルを出ると、大胆不敵にも、ジリジリと警官の方へにじり寄って来る...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...大胆不敵にも大江蘭堂を訪ねて来たのだ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...その時分にはもう、合鍵が間に合って、明智たちは階下へ降りていたが、まさか表玄関から逃げ出しもしまいと、その方は支配人にまかせ、手分けして幾つかの裏口の見張りをしていたのだが、「黒トカゲ」は早くもそれと察したのか、大胆不敵にも、胸を張り、ステッキを振りながら、靴音も高く表玄関を通ってそとに出た...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...小林君の大胆不敵には感心のほかありません...
江戸川乱歩 「大金塊」
...」と龜は不敵に笑ひ...
太宰治 「お伽草紙」
...今一つ思ひきつて更に大膽不敵に...
野上豐一郎 「桂離宮」
...宮内はまことに大胆不敵になり得ているのだ...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...Kのほうが不敵にも闘いを始めたのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...夫のために大胆不敵にならなくちゃ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...不敵にも堂々と宣戦布告(ふこく)的な態度を持続している...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...大胆不敵に見えてゐた...
牧野信一 「毒気」
...この頃はなかなかわれらの言上もお肯(き)きあそばされぬようになりましたで」「滝どのにも似合わぬことを」寅寿は不敵に笑った...
山本周五郎 「新潮記」
...いずれ根(こん)よく潜っていたら、大概、こんな片付きかたをするんじゃねえかと思っていたのさ」そしてまた、不敵に、こうもいった...
吉川英治 「大岡越前」
...彼女たちが大膽不敵に見えたりする...
吉川英治 「折々の記」
...不敵にも守備の眼をかすめて...
吉川英治 「三国志」
...不敵に」「畏れろ...
吉川英治 「平の将門」
...あるいは大胆不敵にも...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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