...ひょっくり現れた伊号一〇一潜水艦は、大胆不敵にも、大混乱を始めている主力艦の後方に浮び上り、永らく中絶していた味方の艦隊との連絡をつけるために、搭載(とうさい)していた飛行機を送り出すと、手際(てぎわ)も鮮(あざや)かに、再び水底深く潜航して行った...
海野十三 「空襲葬送曲」
...女の身で、子供までつれて、大胆不敵にも、彼女は逃亡したのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...賊は大胆不敵にも人肉名刺によって名乗りを上げている...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...」男みたいに不敵に笑った...
太宰治 「善蔵を思う」
...」ドアをぴたとしめて、青年の顔をちらと見て、不敵に笑い、「うまい! 落ちついていやがる...
太宰治 「火の鳥」
...これらの邪気が不敵にも奇跡を否定し始めたのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...Kのほうが不敵にも闘いを始めたのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...大膽不敵にもそれを疑ふらしいが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...大胆不敵に立ち、頬に精気が戻り、灰色の瞳に輝きがある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...澄んだ青い瞳は大胆不敵に光り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...大胆不敵に見えてゐた...
牧野信一 「毒気」
...彼女たちが大膽不敵に見えたりする...
吉川英治 「折々の記」
...不敵にも守備の眼をかすめて...
吉川英治 「三国志」
...大胆不敵にも丞相にまみえ...
吉川英治 「三国志」
...――かくて、楊雄が家に帰らない夜といえば、線香の火と、この小婢(こおんな)の手びきで、頭巾を眉深(まぶか)にかぶった色坊主が、不敵にも、ほとんど一晩おきに、人妻の秘室へ忍び通うという不義の甘味を偸(ぬす)んでいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...敢て不敵になって...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...この春、ああは豪語して去ったものの、よもや二度とは京都へ足ぶみ致すまいと思っていたのに――よくよくな慢心者――約束とあって――御覧なさい、吉岡清十郎どの他(ほか)御一門と、名宛ても不敵に、新免宮本武蔵と、ただ一人名前で、打(ぶ)つけてよこしたその果し状を」三武蔵は今、どこにいるのか、居所(いどころ)は認(したた)めてないので、その書面からは知り得べくもない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あるいは大胆不敵にも...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
ランダム例文:
行くところまで行った 叛臣 採石場
便利!手書き漢字入力検索