...實に天下無類の不所存と云はねばならぬ...
石川啄木 「葬列」
...不所存のほど過(あやま)つたと言はぬかツ』...
高山樗牛 「瀧口入道」
...言はん樣なき不所存者...
高山樗牛 「瀧口入道」
...不忠とも不義とも言はん方なき愚息が不所存...
高山樗牛 「瀧口入道」
...それで主人を軽蔑(けいべつ)するような不所存者は一人もありはしないであろう...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...「おのれら、不所存な...
直木三十五 「南国太平記」
...どうもあの不所存者のことが気になる...
中里介山 「大菩薩峠」
...上子ノ閑ヲ好ムハ蓋シ不所存ノ甚シキ者カ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「忙ノ説」
...娘の不所存(ふしよぞん)から起つたこと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...うか/\と夜分外へ出るやうな不所存者であつた」大瀧清左衞門は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...家來や家族に不所存なものがあつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...不所存きわまるによって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...不所存な! 子供のころから...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...最も甚しいのは親の脛(すね)を囓(かじ)っている学生や部屋住の身分で畳付の駒下駄を足の先へ突(つっ)かけて歩くような不所存者もあります...
村井弦斎 「食道楽」
...「この不所存者」父はいきなりこう叱りつけた...
山本周五郎 「桑の木物語」
...……わ、わしは、御夫婦へも、お縫どのへも余りのことに、いつまでも、この面を上げ得なんだわいっ」畳を打って、膝を、つめ寄せながら、「家祖、忠教(ただのり)、忠政様このかた、まだかつて、おのれのような無恥、腑抜(ふぬ)け、不所存者は、ひとりも出したことのない家だ...
吉川英治 「大岡越前」
...いまだに顔すら見せおらん」「ご府内の住人で」「目のさきにおりながらよ」「そのような不所存者は...
吉川英治 「私本太平記」
...あっと、気をのまれた武蔵が、よろめくところを、沢庵は乗しかかって、さらに、その顔へもう一つ鉄拳を下しながら、「不所存者めッ、不孝者め...
吉川英治 「宮本武蔵」
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