...内界に不思議な変化の起る所が...
芥川龍之介 「近頃の幽霊」
...不思議な世界だつたのだな...
芥川龍之介 「沼」
...ことに時代の不思議な目ざめを経験した葉子に取っては恐ろしい敵は男だった...
有島武郎 「或る女」
...明滅する炎の前に幻のような不思議な姿を描き出す...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...ところが、私の予想は、多くの場合裏切られて、そこに現れた男女は、ただそれが、不思議な、薄暗い鏡の表面に、うごめいているという興味の外には、何の変った様子も見せてはくれないのでした...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...しかしアカデミックな芸術に食傷したものの眼には不思議な慰安と憧憬を感ぜしめる...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...この絵巻物の中に現われているような不思議な嗜虐性要素のしばしば現われることである...
寺田寅彦 「山中常盤双紙」
...馬に不思議な愛着があり...
徳田秋声 「縮図」
...不思議なことがあるもので...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかも何と不思議なことに...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...酔うような不思議な香気は...
久生十蘭 「地底獣国」
...歴史は我々にとつて愈々不思議なものとして現はれるのである...
三木清 「歴史哲學」
...われわれのおもちゃは不思議なほど種類が限られていて...
柳田国男 「こども風土記」
...世にも恐ろしい不思議な死に方をしたのを眼の前に見て...
夢野久作 「白髪小僧」
...何という不思議な心理遺伝の実例で御座いましょう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...何かそれと相似た不思議な作用が潜んでゐるのではないかしら...
吉川英治 「折々の記」
...不思議なくらい、その常識の一ツだけは、誰にも負けない善人孫兵衛であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...一ノ四安白粉の匂いと、汗ばんだ体臭と、そして、ぺらぺらなあくどい色の衣裳が、雑巾のように、投げ散らかされた、この頽廃的な曲馬団の楽屋で、侮蔑の中に育てられた、陰気な少年の「歪んだ心」には、もうませた女の子への、不思議な執着が、ジクジクと燃えて来たのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??