...私は戸の外に不思議な物を見ることがございます...
ウィリアム・バトラー・イエーツ William Butler Yeats 芥川龍之介訳 「春の心臓」
...余をして悲觀と否定とに傾かしむる者は余の生活と運命とを支配する不思議なる力である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...そういう時に君だけは自分が彼らの間に不思議な異邦人である事に気づく...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...不思議な指図もあったものだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...寒い不思議な世界を見る...
千家元麿 「自分は見た」
...あれがおおぜいのたうち回っているのだというような不思議な印象を受けただけであった...
寺田寅彦 「自由画稿」
...不思議な事に、私の記憶に残っている母の姿は、いつでもこの真夏の服装(なり)で頭の中に現われるだけなので、それから紺無地の絽の着物と幅の狭い黒繻子の帯を取り除くと、後に残るものはただ彼女の顔ばかりになる...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...時に糸公不思議な事があるがね」「何が」「阿爺は年寄の癖に新らしいものばかり着て...
夏目漱石 「虞美人草」
...まだ返事を聞かないうちに水瓜(すいか)が食いたくなったんだがね」「何だって?」と主人が不思議な顔をする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...不思議な感がしてならなかつた...
野口雨情 「石川啄木と小奴」
...何んと言う不思議な抱擁でしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...元の持主に返すといふ不思議な盜賊が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は八五郎のせがむまゝこの不思議な事件の祕密を語るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...珍しい不思議なことに思ったのであった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不思議なのは歯の悪い人の年々に増えて行くことである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...因果の律は不思議なほど緊密に巡って来る...
山本周五郎 「お美津簪」
...また不思議な鏡で...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...宛も白光ランプが形なき灰色雲の背後で次第にあげられるやうに――海の憂鬱な休息を亂すまいとして、不思議な用意で、心こめてあげられるやうに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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