...就中(なかんづく)彼等の創造した征夷大将軍徳川家康は最も不快なる怪物である...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...如何なる地獄の眷属(けんぞく)よりも一層不快なる怪物である...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...抑へきれぬ不快な憤怒(いかり)が洪水の様に脳に溢れた...
石川啄木 「鳥影」
...そしてまた、よほど、利口な人達でも、少しでも好意を持ち出したら、二人の間に不利益な、または不快な、と思われる事柄にはなるべく触れまいとします...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...これより以前から文学に絶望して衣食の道を他に求めるべく考えていたのがこの不快な絶望にいよいよ益々沮喪(そそう)して断然文学を思切るべく決心した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...相沢の話振りから一種不快な響きを聞き分けてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...こわれたレコードのガーガーと鳴り出すその非音楽的な不快な騒音が異常に象徴的な効果をもって場面のやまを頂上へと押し上げる...
寺田寅彦 「映画芸術」
...例えばどういう不快な節まわしの流行小唄でも...
戸坂潤 「社会時評」
...予期しない不快な感覚を顔面に覚えて手を放してみると...
富永太郎 「ゆふべみた夢(Etude)」
...多くの不快な事柄が眼についた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不快な道をいつも通り進んでいました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...単に文字の示す悪い意味の不快な感じだけでは留まりませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...顔には不快な表情がある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...風穴に吸ひ込まれて行くやうな不快な想ひに襲はれた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...口に云われない不快な感じがあった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...夫人に不快な存在と見られることがあるかもしれない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...不快な気持ちはよく見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしは悪い・不快な・「時**」はこれを通り抜ける...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
便利!手書き漢字入力検索