...しばらくの間は忘れるようにこの不快な痛みから遠ざかる事ができて...
有島武郎 「或る女」
...抑へきれぬ不快な憤怒が洪水の樣に頭に溢れた...
石川啄木 「鳥影」
...不安な不快な曇りが想覚されたのださうです...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...そしてまた、よほど、利口な人達でも、少しでも好意を持ち出したら、二人の間に不利益な、または不快な、と思われる事柄にはなるべく触れまいとします...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...つまらない不快な...
伊藤野枝 「惑ひ」
...お島には何となし不快な感を与えたが...
徳田秋声 「あらくれ」
...――(すべてかかる民族の優劣問題はつまらない不快なことだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不快なことじゃなくって?」「それはそうですけれど...
豊島与志雄 「反抗」
...なんらか嫉妬(しっと)に似た不快な感情を刺戟され...
中里介山 「大菩薩峠」
...不思議な事に兄さんはこれほど鮮明に自分が細君に対する不快な動作を話しておきながら...
夏目漱石 「行人」
...しかも或る不快な意味において思い浮べなければならなかった...
夏目漱石 「道草」
...しかも少なからず不快な気もちで皺枯(しわが)れ声で言った...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...これが僕には不快なんだ...
北條民雄 「断想」
...これ以上不快な話はよそう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...さうして喉をゲイゲイと鳴らしながら紙臭い不快な唾気を切りに吐いてゐた...
牧野信一 「痴想」
...蛇を火に投じ悪臭大いに起ちて上帝を不快ならしめた...
南方熊楠 「十二支考」
...重三の来た事を好い機会に今まで一杯にたまって居たお関に対しての不快な胸の悪くなる様な憎しみを爆発させる材料に使って居るまでの事で有った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...人が多ければそうしたものは影も見せない木精(こだま)などという怪しいものも次第に形を顕(あら)わしてきたりする不快なことが数しらずあるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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