...傳道の慾望とならぬ宗教の不徹底な所以は自分にも微にのみ込めてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...倉地に自分の心持ちの不徹底なのを見下げられはしないかという危惧(きぐ)よりも...
有島武郎 「或る女」
...ところがこの論理の不徹底な...
有島武郎 「片信」
...不徹底なる計画、不徹底なる指揮は遂にマルヌ会戦の結果となった...
石原莞爾 「戦争史大観」
...『大乗仏教風の理想主義』などゝ言ふ不徹底なことを言つたり...
田山録弥 「孤独と法身」
...あるいは俗論を顧慮して不徹底な態度をとらしめ...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...こちらの新聞の電報欄の不徹底な記事で読んだ時はなんの事だかわからずにいたいろいろの事がらが...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...』不徹底な言い分のようですが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...不徹底な和解が成立して...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...その煮え切らない不徹底な内輪話の最中に...
夏目漱石 「明暗」
...不徹底な所があったろうと思います...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...それは誠に不徹底な想像説たる事を免れ得ない...
牧野富太郎 「植物記」
...なお従来の歌学者が麦門冬の古名なるヤマスゲを拉し来って歌に在るヤマスゲ(山菅)をこの麦門冬の事とするのは不徹底な考えで...
牧野富太郎 「植物記」
...単に疑わんがために疑っていた私の不徹底な懐疑主義は...
三木清 「語られざる哲学」
...多少不徹底なうらみはあるが...
武者金吉 「地震なまず」
...* モンテーニュは何事にも集中没頭できない、不徹底な、非活動的な、冷淡な、怠け者であるかのような伝説の主人公となっているが、以上の数行は正しく彼を理解する上に読み落してはならないことである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...せっかく憐んでやって我々自身はこわごわ不徹底な普選でもって...
山本宣治 「猿の演説」
...また近来の官憲の中の少壮分子は不徹底ながらも民主思想を理解し...
与謝野晶子 「階級闘争の彼方へ」
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