...その透間風が、ある時は顔に、ある時は手に、ある時は頸に、その不実な、冷かな憎悪を絶えず吹きつけるのだった...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...連れ添ふ女房を追ひ出して余所の女を引きずり込むやうな不実な男に...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...つまり不実な人間で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...ある知らず知らずの不実な考えがあるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それはコゼットに不実な行ないではなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...不実な性質(たち)ではないから...
夏目漱石 「三四郎」
...心にもない不実な仕打をするやうになりました...
野口雨情 「石川啄木と小奴」
...「表現」は永遠に不実な...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...しかるにこの不実な恋人は...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...不実な使用人どもに追い払われ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「判決」
...この妾に不実な仕打ばかりしたものだけれど...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...平田はそんな不実な男じゃない...
広津柳浪 「今戸心中」
...「われらともどもにうけごうべきそこはかの道」「ほおえみのごと手を振るがごと、さりげなき、不実なる道」...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...そしてアポロの不実なる下僕と見なされて国外に追放せしむる掟があつた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...決して恋する者にふさはしくない出任せなことばかりをキヤツ/\と景気好気に口走つてたうとう不実な男のやうに思はれてしまつたのだ...
牧野信一 「籔のほとり」
...そんな不実なかかあがどこの世界にあるかってんだ」障子があいて...
山本周五郎 「季節のない街」
...自分も今は固い不実な思想と同様に人間を殺す恋愛に落ち込んでしまっている...
横光利一 「旅愁」
...ついこのあいだカテリーナ・リヴォーヴナの不実な情人に...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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