...その透間風が、ある時は顔に、ある時は手に、ある時は頸に、その不実な、冷かな憎悪を絶えず吹きつけるのだった...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...彼は渾(すべ)て柔和に渾て忠実なるに我は幾度(いくたび)か厳酷にして不実なりしや...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...こん畜生!おれは みぶるいしたおれは菊一文字の短刀を買ってふたたび その女のところへきたさァ 死ねさァ 死ねお前のような不実な奴を生かしておくことは おれの神経がゆるさん女は逃げようとした まて死ねなけゃ おれが殺して――ひとの真実をうらぎるやつはそれよりも おれに大恥をかかしたやつは ココ殺してやるきった ついた血が吹いたこん畜生!おれは ふたたび みぶるいした...
竹内浩三 「こん畜生」
...成るほど僕はちょっと不実なことをした...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...乳母はあの後見(こうけん)の男のような不実な者ではなかったと見えて...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...不実なやり方をして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...右翼左翼両派の――(ことに右翼の)――不実な裏切りなどを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分は不実な男と思ふのが...
長與善郎 「青銅の基督」
...不実な性質(たち)ではないから...
夏目漱石 「三四郎」
...心にもない不実な仕打をするやうになりました...
野口雨情 「石川啄木と小奴」
...「表現」は永遠に不実な...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...しかるにこの不実な恋人は...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...「われらともどもにうけごうべきそこはかの道」「ほおえみのごと手を振るがごと、さりげなき、不実なる道」...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...それ御覧世間の口は不実なものだ...
南方熊楠 「十二支考」
...不実なことは決してしていねえんだ...
山本周五郎 「さぶ」
...もしこの野郎が不実なことでもしやあがったら...
山本周五郎 「さぶ」
...そのあいだいちどだって不実なことはなさらない...
山本周五郎 「ひとでなし」
...不実なまねをしたためしもない...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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