...その透間風が、ある時は顔に、ある時は手に、ある時は頸に、その不実な、冷かな憎悪を絶えず吹きつけるのだった...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...こん畜生!おれは みぶるいしたおれは菊一文字の短刀を買ってふたたび その女のところへきたさァ 死ねさァ 死ねお前のような不実な奴を生かしておくことは おれの神経がゆるさん女は逃げようとした まて死ねなけゃ おれが殺して――ひとの真実をうらぎるやつはそれよりも おれに大恥をかかしたやつは ココ殺してやるきった ついた血が吹いたこん畜生!おれは ふたたび みぶるいした...
竹内浩三 「こん畜生」
......
竹内浩三 「夜汽車の中で」
...成るほど僕はちょっと不実なことをした...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...乳母はあの後見(こうけん)の男のような不実な者ではなかったと見えて...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...連れ添う女房を追い出して余所(よそ)の女を引きずり込むような不実な男に...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...つまり不実な人間で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...不実な役目を警察に売りつけ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そして「自分を不実な男だと自分で思ふのが嫌だもんだから...
長與善郎 「青銅の基督」
...心にもない不実な仕打をするやうになりました...
野口雨情 「石川啄木と小奴」
...「われらともどもにうけごうべきそこはかの道」「ほおえみのごと手を振るがごと、さりげなき、不実なる道」...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...糞老婆(くそばばあ)と思ッてお出でに違いない……此方はそんな不実な心意気の人(しと)と知らないから...
二葉亭四迷 「浮雲」
...モートンを不実な下男か...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...不実な祖国とえ三重の呪咀を織りこんだむかしの労働者の歌をその后ぼくは皇帝の監獄部屋で皇帝の親衛兵たちのボロを解きながら皇帝の緋色の衣装を拝受したこのマンチュリアの婦人服に似た着衣は皇帝の女囚によって織られた三重の呪咀は...
槇村浩 「シュレジェンの織工によせて」
...飛んだ不実な男の慰物(なぐさみもの)にせられたのが...
森鴎外 「雁」
...(c)不実なる者を信頼することは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不実な恋人のことなんて忘れるんだ...
山川方夫 「待っている女」
...そんな不実なかかあがどこの世界にあるかってんだ」障子があいて...
山本周五郎 「季節のない街」
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