...食うと恐しくねばり気があって、不出来な、重くるしい麪包(パン)を思わせるが、薄く切ったのを火であぶり、焦した、或は褐色にした豆の粉〔きなこ?〕と、小量の砂糖とをふりかけて食うとうまい...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...パン職人の如きはちょっとした焼き損いや不出来なものは...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...これほど私を敗頽(はいたい)させた不出来な仕事が終つてから...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...しかし不出来な、気に喰わないものでも買ってくれる人があるので、私はどうやら暮してゆかれるのだが――貧しいおもちゃ製造人...
辻潤 「惰眠洞妄語」
...しかしそれはもっとも不出来なものであった...
夏目漱石 「永日小品」
...今度のやり方はすこし不出来なようである...
久生十蘭 「魔都」
...それは私が自分の宿題の最後の方がすこし不出来なことを考えているせいだったのだ...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...奴は不出来な作品に数十万ポンドも無駄使いしたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...ちょっと不出来な箇処は何度でも縫いなおさせた...
「一本の花」
...まことに不出来なものでありまして...
宮本百合子 「幸福について」
...少々不出来なものは奥さんの手になったのだし...
村井弦斎 「食道楽」
...最もひ弱な不出来な子供たちを溺愛しています...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(c)だから我々の持っている古書は一番不出来なものではあるまいかと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不出来な人間であり...
吉川英治 「大岡越前」
...不出来な箇所があろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...こんな不出来な伜(せがれ)の手を取って拝むやつがあるものか...
吉川英治 「新・水滸伝」
...われながらその不出来なのを嘆(たん)じて...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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