...――即ち人生に相亘るに不便なりと知るべし...
芥川龍之介 「小説作法十則」
...女賊が不便な塔の上を...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...あの道路の不便な中世の町人であつたなら...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...唯交通の不便なるが爲に...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...お得意先に御不便なこともあろう...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...あの辺(へん)は今でも南海電車を降りて半里も歩かねばならぬ不便な場所で...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...清三は便所に通うのに不便なので...
田山花袋 「田舎教師」
...そしてそれは多くは交通の不便な処とか...
田山録弥 「町」
...これはこの時計の不便な点であって同時にすぐれた点である...
寺田寅彦 「時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」
...新聞を全廃したらさだめて不便な事であろうと一応は考えられる...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...日常使用に不便なれば已むことを得ず新に購求めしなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...これは私が衣食住してゆくといふことの上には大いに不便なわけである...
中原中也 「我が生活」
...こう一々挺子(てこ)で持ち上げるので不便なんだが...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...盲目(めくら)の私にわかるわけは御座いません」何にか不便なことがあると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いずれにてもこれに偏するは不便なり...
福沢諭吉 「日本男子論」
...昔の旅は交通不便なる地に行きて不自由をする事故都の人は旅にありて故郷を憶ふ情今日よりは遙に強かりしならん...
正岡子規 「萬葉集を讀む」
...不便な事に、汽車の著く南駅は南城の北一哩強の地に孤立してゐる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...いつからそんな不便なことになったのでしょう」「さよう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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