...そういうものの設立にはいちばん不便な時らしくも思われた...
有島武郎 「或る女」
...少し不便なオタトモでは始終八錢の値段を保つてゐたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...こいつはどうも不便なこった!」2闇成金の苅谷勘一郎氏の許へ...
海野十三 「奇賊は支払う」
...お得意先に御不便なこともあろう...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...それは却(かえ)って不便なものであった...
高浜虚子 「丸の内」
...こんな不便なところへ...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...東京という所は存外不便な所である...
寺田寅彦 「柿の種」
...そもそも日本の女の女らしい美点――歩行に不便なる長い絹の衣服(きもの)と...
永井荷風 「妾宅」
...汽車でも電車でも出入(でい)りの不便な貧しい場末の町に引込んで秋雨を聴きつつ老い行く心はどんなであろう……何の気なしに思いつくと...
永井荷風 「夏の町」
...それではわざわざ陝西省などという交通不便な奥地まで出かける理由は...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...隨分不便な場所ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さても此の危險極る不便な處を選りに選つて...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...あんな不便なところにも移っているのでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...おさえて変わる音の繊細な味を研究おさせになるのに不便なために...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...土地がやや不便な所であるせいもあるが...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...城と五里も離れていて不便なため間もなくやめたらしい...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...「ところで名めえが知れねえで不便なんだが...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...昔の不便なままの形をした都市計画を遂行する役人を押し立てて...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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