...一所不住(いっしょふじゅう)のゆだやびと」と答えた...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...住持となりても食物乏しければ僧も不住(すまず)...
泉鏡花 「一景話題」
...かつは罰し、かつは賞し、雲の無軌道、このようなポオズだけの化け物、盗みも、この大人物の悪に較べて、さしつかえなし、殺人でさえ許されるいまの世、けれども、もっとも悪い、とうてい改悛(かいしゅん)の見込みなき白昼の大盗、十万百万証拠の紙幣を、つい鼻のさきに突きつけられてさえ、ほう、たくさんあるのう、奉納金かね? 党へ献上の資金かね? わあっはっはっ、と無気味妖怪の高笑いのこして立ち去り、おそらくは、生れ落ちてこのかた、この検事局に於ける大ポオズだけを練習して来たような老いぼれ、清水不住魚、と絹地にしたため、あわれこの潔癖、ばんざいだのうと陣笠(じんがさ)、むやみ矢鱈(やたら)に手を握り合って、うろつき歩き、ついには相抱いて、涙さえ浮べ、ば、ばんざい! 笑い話じゃないぞ、おまえはこの陣笠を笑えない...
太宰治 「創生記」
...サヤウニナリヌレバ十界住不住自在也...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...仏教では樹下石上といい一所不住ともいう...
種田山頭火 「寝床〔扉の言葉〕」
...それはこの一所不住の利用者らのためにであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...昔の出家は一所不住といって...
中里介山 「大菩薩峠」
...一所不住の姿に似ている...
中里介山 「大菩薩峠」
...出家の身は一所不住と申しまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...一所不住(いっしょふじゅう)の沙門(しゃもん)雲水行脚(うんすいあんぎゃ)の衲僧(のうそう)は必ず樹下石上を宿(やど)とすとある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...夜は一処不住の宿りに...
樋口一葉 「琴の音」
...夜は一處不住の宿りに...
樋口一葉 「琴の音」
...鬼火(おにび)のやうな一所不住の人間にしてしまつたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...此時玉卿蕩魂意迷、耐不住、云々、非雲哀聲喚レ痛、※髮倶鬆、云々...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...少なくとも遊行(ゆうこう)が一処不住(いっしょふじゅう)の漂泊生涯を意味していたことは...
柳田国男 「木綿以前の事」
...私は追われる身の一所不住というありさまですから...
山本周五郎 「失蝶記」
...一所(いつしよ)不住(ふぢゆう)の神なり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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