...自分ひとり別になると云ふのも何となく不人情なしうちに思はれるのが恥かしいのと...
伊藤野枝 「惑ひ」
...彼女は不人情なみすぼらしい女で...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...あれほど不人情な仕向けをしておきながら...
徳田秋声 「足迹」
...そんな不人情な不義理な事して長生きしたッてどうしますか...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...恩に着るぞ! おまえたちはどいつもこいつも不人情なやつばかりだよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...全く不人情な奴だ...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...情(なさけ)ないほど不人情な奴が揃(そろ)ってると思った...
夏目漱石 「坑夫」
...涙一つ零(こぼ)すじゃなし」「不人情なんじゃない...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...そんな不人情な事をしそうには思えないんだが――うつくしい人が不人情で...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...転任したくないものを無理に転任させてその男の月給の上前を跳(は)ねるなんて不人情な事が出来るものか...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...私にはそんな不人情な事は出来ません」「それは困る...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...「ことによると己の方が不人情なのかも知れない」彼は姉の上に加えた評をもう一遍腹の中で繰り返した...
夏目漱石 「道草」
...不人情なものですね」「ありさうなことだな」「柳屋には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「それにしても不人情な」と...
本庄陸男 「石狩川」
...町の紙屋で立派にやつてゐるつてえぢやないか?香代 ……あんな不人情な奴等の世話になる位なら...
三好十郎 「地熱」
...11130不人情な檀那で...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...じつに兄貴たちは不人情なことをするもんだ...
山本周五郎 「風流太平記」
...しかし忘れ去るような不人情なことはしたくないというのが親の真情である...
和辻哲郎 「初めて西田幾多郎の名を聞いたころ」
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