...そういう不人情な了簡ではならぬといわれて...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...それを横取りして置くと云ふそんなさもしい不人情な考へは少しもなかつたけれども...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...不人情な養母達の機嫌を取り取りして来た...
徳田秋声 「あらくれ」
...全く不人情な奴だ...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...不人情な、心無しの、傲慢(ごうまん)な、けしからん男だ!」そして彼は目にわいてきた一滴の涙を娘に見せないように、顔をそむけた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...学者病中下女の不人情なるを憤るあたりの叙事...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...そんな不人情なことはできませんな」「不人情?」竜之助は苦笑(にがわら)いしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...不人情ならばとにかく...
中里介山 「大菩薩峠」
...向後(こうご)御互に不義理不人情な事はしたくないものだという意味を僅(わずか)二行余(あまり)に綴(つづ)って先方へ渡した...
夏目漱石 「道草」
...逃げて行く不人情な徳之助ではございません...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...「酔っ払ったって死ぬことがあるじゃないか! ボースン! 安田だって仲間だぜ! 不人情なことを云うと承知しねえぞ...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...そういう不人情なこともしかねるので...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...不人情な家をこしらへたもんだ」襟足の白きは昔足許へ懐へ付く世となりにけり久良伎無益委記(むだいき)の断髪とまで気が付かず同「襟足の白きは昔」の前書がうれしいではないか...
正岡容 「大正東京錦絵」
...こんな天候の時に家を出て行くことは人目に不人情なことに映ることであろうし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そんな不人情な人間に大事な任務がはたせるわけがありません」「そんなふうに仰しゃっても...
山本周五郎 「風流太平記」
...なんとも不人情なような気がしてならなかった...
山本周五郎 「風流太平記」
...じつに兄貴たちは不人情なことをするもんだ...
山本周五郎 「風流太平記」
...しかし忘れ去るような不人情なことはしたくないというのが親の真情である...
和辻哲郎 「初めて西田幾多郎の名を聞いたころ」
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