...お鳥も亦取り澄ました物々しい態度でまだ一言も云はず、下向き勝ちに、義雄の方へ明いた障子の敷居を越えたが、しやがんでその障子を人に見られまいと云ふ風で締めた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...下向き加減の友人の歸つて來るのが見えた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...G(万有引力のこと)が下向きにかかるが...
海野十三 「宇宙戦隊」
...天井から下向きにとりつけてある高声器から...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...下向きに巻いた蓋をそっと傾けてみると...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その男は下向きにはいふさっていたという...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...徳次は下向きになつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...さっきからあからめし顔はひとしお紅(あこ)うなりて浪子は下向きぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...右の手に七三に下向きに持っていた筆を取添えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...下向きの枝が気に入って構図したものを...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...下向きに立つ筈だが」重吉はさすがに氣がついた樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...下向きになっていたか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...石垣の上から突き落した傷なら下向きに付く筈でございます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しかし下向きに垂れてゐる蕾は反つて重さうでその中には阿片がつまつてゐさうに見える...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ぐでりんは相変らずの下向き加減で...
牧野信一 「月あかり」
...「田舎といふと……?」「小田原――」私は下向きながら答へた...
牧野信一 「病状」
...かつ花も点頭して下向きに咲いているのでこれまた露を帯ぶれば同じく重たげに見ゆるので「白露重み」の歌詞が充分よくその実際を発揮せしめている...
牧野富太郎 「植物記」
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