...僕のライフが頂點に達した徴候は――況して下り坂になつた徴候などは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...それにしてもこんな幸福でさえがいつかは下り坂になる時があるのだろうか」そんな事を葉子は幸福に浸りきった夢心地の中に考えた...
有島武郎 「或る女」
...それから勾配のゆるい下り坂になつたが...
岩野泡鳴 「日高十勝の記憶」
...それから勾配(こうばい)のゆるい下り坂になつたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...人気が落ちて下り坂となった時だから...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...道はやや下り坂となり...
梅崎春生 「日の果て」
...今度は下り坂で、車がすべろうとするのを、一生けんめいにブレーキをかけながら、隊伍堂々と下へ下りていった...
海野十三 「火星兵団」
...ごろごろと下り坂を下りてゆくような気がしたと思ったら...
海野十三 「東京要塞」
...自然に下り坂になって...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...妙義神社の前より左折し、山腰をゆくこと、凡そ十町、杉林つきて、下り坂となる...
大町桂月 「妙義山の五日」
...日没頃に丘をのろのろと登って来たこと、沈みゆく太陽、下り坂、製粉所、断巌の上の牢獄、凹地にある小さな村、飲用泉のところにいた百姓ども、馬車の下の鎖を指し示していた青い帽子を持った道路工夫などである...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...その下り坂がもう殆んど下り切つたといふ時であつた...
中原中也 「アンドレ・ジイド管見」
...自分は此儘で人生の下り坂を下つて行く...
森鴎外 「妄想」
...同時に三崎座も四十年頃から下り坂となって...
山本笑月 「明治世相百話」
...休火山の旧噴火口にできた湖のつらなりに沿う下り坂に道がはかどつて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...御覧の通り最早(もはや)六十の峠を越えました下り坂の私...
夢野久作 「斬られたさに」
...下り坂にかかると...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...(下り坂と急カーヴ)源吉の右手はカマの焔照(ほて)りで熱っぽいブレーキを...
蘭郁二郎 「鉄路」
便利!手書き漢字入力検索