...誰か此の如き獨斷を下す權利を持つてゐよう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...見下す谷の深い闇の中には...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...とたんに鉄棒空(くう)に躍って頭(こうべ)を目懸けて曳(えい)! と下す...
泉鏡花 「活人形」
...みんな待つてゐて下すつてよ...
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied 森林太郎訳 「薔薇」
...大名のお部屋様やお姫様として幸福な月日を送らせて下すった有難いお人には違いなかったが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...とうに戻って来ておりますから御安心下すって結構です...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...鎮宅霊符という禁厭の札を作って持って来て下すった...
豊島与志雄 「生と死との記録」
...この白骨を脱け出すことに御同意をして下すって...
中里介山 「大菩薩峠」
...って贔屓(ひいき)にして下すったもんです」彼の言葉遣(づか)いはこういう職人にしてはむしろ丁寧(ていねい)な方であった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...学者の下す定義にはこの写真の汽車や琥珀の中の蠅に似て鮮(あざや)かに見えるが死んでいると評しなければならないものがある...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...「先刻(さっき)いらしって下すったそうですが...
夏目漱石 「明暗」
...お出(いで)下すった事を感謝いたします」三つの懐中電灯に照されて...
野村胡堂 「古銭の謎」
...荷を下す車力の聲や...
水野仙子 「四十餘日」
...(本の整理のために去年の手紙をよみかえし十月から十一月へとユリの旧作をよみ返して下すった非常に深い心持の意味を更につよく感じ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...中央部を握ってつき下す竪杵(たてぎね)を使用して...
柳田国男 「故郷七十年」
...と云いながらわたくしの髪に櫛(くし)を当てて下すった...
山本周五郎 「やぶからし」
...船長を見下すようにソロソロと立ち上ったが...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...「おまえ達も戻れ」日観が命令を下すと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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