...僕は上草履(うはざうり)をはいてゐた...
芥川龍之介 「拊掌談」
...上草履(うわぞうり)の大きな音をさせながら案内に立った...
有島武郎 「或る女」
...素足に上草履(うわぞうり)...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...千代子は縁がはをばた/\と上草履の音をさせて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ゲラ刷を工場から持って来るボーイなどがパタパタと上草履を鳴らして小走りして出たり入ったりした...
相馬泰三 「六月」
...肥った短い足先の上草履の音が...
豊島与志雄 「白血球」
...廊下には上草履(うわぞうり)の音がさびれ...
永井荷風 「里の今昔」
...小野さんは気掛(きがかり)な顔をして障子の傍(そば)に上草履を揃(そろ)えたまま廊下の突き当りを眺(なが)めている...
夏目漱石 「虞美人草」
...廊下を歩く看護婦の上草履(うわぞうり)の音さえ聞えない...
夏目漱石 「変な音」
...しまいには上草履(うわぞうり)を穿(は)いて広い廊下をあちこち散歩し始めた...
夏目漱石 「変な音」
...あッ上草履(うわぞうり)を履いたきりだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平田が重たそうに上草履を引き摺ッて行く音が聞えた...
広津柳浪 「今戸心中」
...平田が上草履をはくところへ西宮も吉里も追いついた...
広津柳浪 「今戸心中」
...おれは意気地がない」上草履はまたはるかに聞え出した...
広津柳浪 「今戸心中」
...娼妓(じょろう)の用いる上草履と男物の麻裏草履とが脱ぎ捨ててあッたことが知れた...
広津柳浪 「今戸心中」
...二人は奥にはいつて廊下で上草履にはきかへました...
槇本楠郎 「母子ホームの子供たち」
...ぴかぴかと黒光りのする板敷に藺(い)で作ったスリッパのような上草履(ぞうり)が行儀よく並べてあった...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...「廊下をすべる上草履(うわぞうり)」...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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