...余り上等でない赤皮の長靴だ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...重い材木で圧(お)しをして大きな断片にしたのである……それほど上等でないのはかれらが蒲(がま)でつくった筵(むしろ)で蔽ってあって...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...あまり上等でない火鉢を想像して貰(もら)いたいからであるが...
高見順 「如何なる星の下に」
...ちっとも上等でないけど...
太宰治 「パンドラの匣」
...―――而(しか)も余り上等でない曖昧(あいまい)茶屋か何かの仲居(なかい)...
谷崎潤一郎 「細雪」
...余り上等でないとわかってきてからは「宗一...
直木三十五 「死までを語る」
...余り上等でない室を借りてゐたので...
中谷宇吉郎 「ツーン湖のほとり」
...新しいあまり上等でない線路では...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...平次は所在なく雁首(がんくび)を爪繰り乍らあまり上等でない五匁玉の煙草包をほぐして居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あまり上等でないタクシードを着て...
久生十蘭 「だいこん」
...服装の余り上等でない女が...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...當時自分などは淺草といふ、餘り上等でない、何方(どつち)かといへば場末の土地の名を、本の表題にするのは面白くないやうな氣がしたが、今になつて考へてみると、籾山氏の烱眼は夙に久保田君の作品の地方色を明確に認めて居られたものと思はれる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...「上等でない商売」というのはインバイかインバイ屋のことではないかと思われる...
三好十郎 「恐怖の季節」
...これには鮪(まぐろ)の身の極(ご)く上等でないといかん...
村井弦斎 「食道楽」
...上等でないかも知れませぬが...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...あまり上等でない米を...
柳田國男 「食料名彙」
...この少年の持物の全体を通じて何一つ上等でないものはない...
夢野久作 「暗黒公使」
...彼等が註文する喰物(くいもの)や酒の種類があまり上等でない...
夢野久作 「暗黒公使」
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