...見よう見まねの渡世人の仁義をよそおい上目づかいにいざり寄った...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...上目づかいに天井をみあげた...
海野十三 「太平洋魔城」
...老木の梢の上なんぞを上目づかいでながめて...
中里介山 「大菩薩峠」
...上目づかいに吟味しているものらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...上目づかいに冷静に男の顔を覗き込んだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...上目づかいに見わたす上流の平原は...
本庄陸男 「石狩川」
...彼はせりあげて来るような腹をゆすって上目づかいに云うのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...上目づかいに相手をじろりと見て...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「ねえ、先生から申し上げて、あいつを、ぐんぐん責めておやりなさいよ――あたしもその時には、見せていただいて、鬱憤(うっぷん)が晴らしたいものです――」お初は、しつッこい口調で言ったが、平馬はそれには答えずに、じっと、上目づかいで、お初を、睨(にら)むようにみつめつづけていたが、モゾリとした語韻(ごいん)で、「ま、雪之丞ずれのことはどうでもいい――」そして、唾(つば)をゴクリと呑むようにして、「ときに、そなたは、うけたまわれば、お独り身じゃそうなが――」「はい、不しあわせな身の上でござんして、良人(おっと)に死にわかれましてから、もう長らく、淋しく暮しております――」お初、心の中で、嗤(わら)っている...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...おれ」平山は上目づかいに中年の女をちらちらと見やりながらいった...
山川方夫 「演技の果て」
...ちらとその僕を上目づかいに見て...
山川方夫 「お守り」
...上目づかいに笑い...
山川方夫 「その一年」
...すこし上目づかいに彼をながめ...
山川方夫 「昼の花火」
...小女はチラリと上目づかいに銀次の顔を見たきり...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...そっと上目づかいをして見ました時の...
夢野久作 「少女地獄」
...鋭い上目づかいに...
吉川英治 「江戸三国志」
...ジロリと凄い上目づかいをしながら...
吉川英治 「剣難女難」
...上目づかいで、良人が見ているなどは、おそらく意識の外だったろう...
吉川英治 「私本太平記」
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