...「上村の娘、絵など覚えてどないするつもりかいな」と、私の家へ来るごとはもちろん、かげでもうるさく非難しておったが、母がべつに他人様や親類すじから世話になっているわけでもなし、と一向気にかけなかった...
上村松園 「最初の出品画」
...六郷川をわたり、原村の立春梅は閑却して、新田神社の前を過ぎて、池上村に來り、鑛泉松葉館に至りて、浴し、酒し飯し、腹と共に、昨日來の望みも滿ち、醉脚蹣跚として、大森の停車場に來り、茶店に憩ふほどに、乘客非常に多く、わざ/\杉田より折り來りし梅枝、いと大なれば、或ひは汽車の中に持ちゆくこと難く、持ちゆくも、人込の爲に、あたら花を散らされては甲斐なしとて、宿の主婦の花ほしげなるを幸に、之に與へて、遂に全く花と別れぬ...
大町桂月 「杉田の一夜」
...上村占魚(うえむらせんぎょ)君が講演をされた...
高浜虚子 「俳句への道」
...間近い元祖上村源之丞の家を訪ねて見た...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...この意味から云へば上村源之丞の操は方法論的にも形態論的にも文樂の操と全然同じ範疇に屬するものと斷定して差支へないのである...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...転じて大正年間、生存の美人画家……芳年系統の鏑木(かぶらぎ)清方、京都の上村松園、いずれも腕はたしかで、美しい人を描くには描くが、その美人には良否共に、魅力と、熱が乏しい...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの上村提督である...
野村胡堂 「胡堂百話」
...上村少佐は、まづフランスへ出かけて行つた、といふのは、その頃日本の陸軍は、フランス式であつたからだ...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...上村少佐はまづ、当時精鋭をもつて聞えたスナイドル銃をこしらへる会社を見た...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...さすがに上村少佐もこれには感心した...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...「少佐上村(マジユール・カミミユラ)! しばらくでしたね!」中尉は青年らしい元気のいゝ顔に笑を浮かべてゐた...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...仙太 北条の喜兵の? そして上村の弥造親方とは?瀧次 弥造は俺の兄貴分だ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...幹太郎は上村と伊勢に道場のことを頼み...
山本周五郎 「花も刀も」
...「上村さんの家風もあるだろうけれど...
山本周五郎 「めおと蝶」
...妹は信乃が上村へ来てからも反対の意志を変えぬふうで...
山本周五郎 「めおと蝶」
...けれどもやがて「自分が上村良平の妻である」という事実につき当った...
山本周五郎 「めおと蝶」
...……お姉さまが上村と縁が切れて...
山本周五郎 「めおと蝶」
...狂言から仕手方に転向した上村又次郎氏と共にいつも翁から叱られるので有名であったが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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