...鍔の広い帽子にマントルを着た影はおのずから真っすぐに立ち上る...
芥川龍之介 「誘惑」
...玄関を上ると、右手に階段があり、左手は大きな台所...
石川欣一 「山を思う」
...丁度吉野が上るところ...
石川啄木 「鳥影」
...三指づきの折かがみが、こんな中でも、打上る...
泉鏡花 「歌行燈」
...上ると腕や胸の皮膚がぴんと湯を弾(はじ)いた...
梅崎春生 「幻化」
...頭より高く上るんだ...
海野十三 「怪塔王」
...立ち上ることも出来ない有様です...
海野十三 「赤外線男」
...この半年ばかりずっと私が落ち込んでいた低迷状態からようやく浮き上ることができそうな...
高見順 「如何なる星の下に」
...(泣く)(数枝)(苦痛に堪えざるものの如く、荒い呼吸をして、やがて立ち上る...
太宰治 「冬の花火」
...今を盛りの滿山の秋を踏み分けて上る...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...今聞かせられているような胡麻節(ごまぶし)を辿(たど)ってようやく出来上る景清に対してはほとんど同情が起らなかった...
夏目漱石 「行人」
...そっと二階へ上ると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...疾走するトラツクの後にパツと舞ひ上る焼跡の砂塵や...
原民喜 「飢ゑ」
...ふと誰かが立上ると...
原民喜 「死のなかの風景」
...このように洗練された顔だちが出来上るのであろうか...
久生十蘭 「魔都」
...うんと馬力をかけて五つ曲り目を駈け上ると...
平山蘆江 「怪談」
...高座に持ち出されて圓朝の口に上ると...
正岡容 「我が圓朝研究」
...アンポンタン・ポカン然として眼球(めだま)をコスリコスリ起上るのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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