...船階子の上り口には労働者が十四五人群がって船の着くのを見守って居た...
有島武郎 「かんかん虫」
...それをかっこむ音が上り口からよくきこえた...
有島武郎 「星座」
...便所の後ろになつてゐる上り口から...
石川啄木 「鳥影」
...上り口の次の室(ま)の三畳へ...
泉鏡花 「婦系図」
...あれも囚人のゐる処?』開放された廊下への上り口から見える中庭の向ふの低い屋根を圧して高く聳え立つた家の側面が...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...上り口に積み上げてあつた...
鈴木三重吉 「胡瓜の種」
...上り口には亂雜に草履が脱ぎ棄ててあつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...九三藏は内玄關の上り口に腰を掛けた...
高濱虚子 「俳諧師」
...始めは唯階段の上り口で...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...ちょうど梯子段(はしごだん)の上り口のところに...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...主客六人は上り口の広い廊縁のところで青葉の影を浴びながら...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...部屋に近い上り口に待っているのへ...
直木三十五 「南国太平記」
...梯子段(はしごだん)の上り口から...
林芙美子 「浮雲」
...梯子段の上り口に腰を降ろして爪を噛んでいたが相変らずしゃっくりは止まらない...
林芙美子 「泣虫小僧」
...四月九日〔以下空白〕一千九百廿(にじゅう)五年五月五日 晴まだ朝の風は冷(つめ)たいけれども学校へ上り口の公園の桜(さくら)は咲(さ)いた...
宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
...すぐに上り口からはるか下の方をのぞいて見ますと...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...それから銀次は上り口に飯櫃(めしびつ)を抱え出して...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...その頃はもう、お綱の姿も万吉の姿も、どこに見ることもならず、神田一帯、駿河台の上り口、すべて、人と提灯(ちょうちん)と火事頭巾(ずきん)と、ばれんと鳶口(とびぐち)の光ばかりに埋(うず)まっている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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