...やゝ暫らくして雨に濡れまさる彼れは又川上の方へ向いて街道を歩き始めた...
有島武郎 「幻想」
...それを上の方から豆つぶのような人が三つばかりS字を画きながら下りてくる...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...雷のやうな音を立てゝ上の方に噴き出る...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...自分たちの楽しい遊戯を上の方から見下ろすように撮ってあった...
海野十三 「蠅」
...上の方を指差しながら...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...そうすると上の方にあるのだからその棚の方の寐台がえらいのかなと思いながら私は下の方の寐台に這い込んだ...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...見ると――その耳門(くぐり)は上の方が四つ目格子になっていましたが...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...万年青の上の方、壁に七福神の卑俗な額が掛っていた...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...年下の方は年上の方を敬わねばなりませんが...
豊島与志雄 「文学以前」
...上の方は浜の砂をざらざらとそのままだから...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...そろりそろりと上の方へ視線を移して行く...
夏目漱石 「草枕」
...上の方についてる片っぽの眉(まゆ)をピクリと動かした...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...が上の方は裸の埃(ほこり)であった...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...やっとの思いでこの家の上の方の...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...それからずっと上の方へ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お前あの上の方を平気で見る事が出来るかい...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...バタバタと羽根を散らして上の方へ飛び退(の)いたが...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...ただちに山上の方へ」「はなはだしいお疲れでおわせられるが」「山坂もわずかな間...
吉川英治 「私本太平記」
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