...ともすれば上すべりする私を警戒する...
種田山頭火 「其中日記」
...あるいはかえって音楽のほうがわれわれの注意の圏外を上すべりにすべり越してしまうことになりはしないか...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...袋の繊維はなかなか強靱(きょうじん)であるので鈍い鋏の刃はしばしば切り損じて上すべりをした...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...一向に上すべりしてしまうのである...
徳永直 「冬枯れ」
...利いた風なそのくせ上すべりのした與八を中里君は書いていやしないのに...
平山蘆江 「大菩薩峠芝居話」
...サヨが自分で自分のいろんな到らなさや鬱屈や感情の上すべりした所を絵のなかでは割合発見してゆけるように...
「朝の風」
...上すべりしているというほどではないけれども...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どこかしらそれが上すべりをしてしまって...
三好十郎 「樹氷」
便利!手書き漢字入力検索