...すぐ上がり口に行った...
有島武郎 「火事とポチ」
...省作は庭場の上がり口へ回ってみると煤(すす)けて赤くなった障子へ火影が映って油紙を透かしたように赤濁りに明るい...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...もうちゃんと上がり口の階段の前へ来て待っている...
寺田寅彦 「沓掛より」
...乗客は勝手に上がり口の箱の中へかねて買い置きの白銅製の切符を投げ入れていたように記憶している...
寺田寅彦 「破片」
...ベランダの天井の電燈は消えていたが上がり口の両側の柱におのおの一つずつの軒燈がともり...
寺田寅彦 「人魂の一つの場合」
...一二六番地のBは大きな店に挟まれたところに上がり口があって...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...上がり口の廊下に崩れてしまった...
徳田秋声 「縮図」
...上がり口で二人連れではないと断るはずのところを...
夏目漱石 「三四郎」
...上がり口に白芙蓉(はくふよう)が五六輪...
夏目漱石 「二百十日」
...上がり口から見ると...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...二階の上がり口は長方形の間の...
森鴎外 「心中」
...上がり口との中途あたりで...
森鴎外 「心中」
...上がり口から三味線や太鼓がみえるし...
吉川英治 「江戸三国志」
...その二人が上がり口で昼寝をしていたと分りましたから...
吉川英治 「江戸三国志」
...上がり口の部屋へ立って来ました...
吉川英治 「江戸三国志」
...ピタリ、ピタリという無気味な足音が、さっきから家のまわりを廻っていたが、お吉が針箱を置きに立つと一緒に、「ご免――」といいながら、上がり口に、ぞろりと三つの影が立ちふさいだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...上がり口のほうに向って厳しい膝を向けて坐っていると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...上がり口の土間に見馴れない履物が脱いである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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