...葉子は階子(はしご)の上がり口まで行って二人に傘(かさ)をかざしてやって...
有島武郎 「或る女」
...四一階子段(はしごだん)の上がり口には愛子が姉を呼びに行こうか行くまいかと思案するらしく立っていた...
有島武郎 「或る女」
...とにかく満員電車の上がり口につかまってぶら下がっているような一種の緊張が到る処に見出された...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...ベランダの天井の電燈は消えていたが上がり口の両側の柱におのおの一つずつの軒燈がともり...
寺田寅彦 「人魂の一つの場合」
...上がり口に溢(あふ)れていてわあわあ言っていたので...
徳田秋声 「仮装人物」
...荷物の散らかっている上がり口の三畳を突っ切って...
徳田秋声 「仮装人物」
...上がり口のちがった背中合せの部屋に...
徳田秋声 「仮装人物」
...脚絆(きゃはん)甲掛けに両掛けの旅客でも草鞋(わらじ)をぬいでいそうな広い土間が上がり口に取ってあったりして...
徳田秋声 「縮図」
...四畳半の上がり口と台所の間にある廊下に狭い段梯子(だんばしご)がその四畳半のうしろで曲がっており...
徳田秋声 「縮図」
...彼は修道院長のところの上がり口で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...上がり口に白芙蓉(はくふよう)が五六輪...
夏目漱石 「二百十日」
...上がり口との中途あたりで...
森鴎外 「心中」
...上がり口でぐったりと身を投げましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...上がり口から三味線や太鼓がみえるし...
吉川英治 「江戸三国志」
...なあ馬春堂」上がり口の六畳間に...
吉川英治 「江戸三国志」
...ピタリ、ピタリという無気味な足音が、さっきから家のまわりを廻っていたが、お吉が針箱を置きに立つと一緒に、「ご免――」といいながら、上がり口に、ぞろりと三つの影が立ちふさいだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...上がり口で帰してしまうという風であった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...ぼくは上がり口の三畳に机とじょうばんをすえて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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