...すぐ上がり口に行った...
有島武郎 「火事とポチ」
...省作は庭場の上がり口へ回ってみると煤(すす)けて赤くなった障子へ火影が映って油紙を透かしたように赤濁りに明るい...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...とにかく満員電車の上がり口につかまってぶら下がっているような一種の緊張が到る処に見出された...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...上がり口のちがった背中合せの部屋に...
徳田秋声 「仮装人物」
...脚絆(きゃはん)甲掛けに両掛けの旅客でも草鞋(わらじ)をぬいでいそうな広い土間が上がり口に取ってあったりして...
徳田秋声 「縮図」
...下の広々した玄関の上がり口の奥に...
徳田秋声 「縮図」
...十三二階は上がり口が三畳で...
徳田秋声 「縮図」
...女中が段梯子(だんばしご)の上がり口へ来て...
徳田秋声 「縮図」
...上がり口で二人連れではないと断るはずのところを...
夏目漱石 「三四郎」
...上がり口を奥へ、二つ目の角を右へ切れて、突当たりを左へ曲がると東側の部屋(へや)だと教わったとおり歩いて行くと、はたしてあった...
夏目漱石 「三四郎」
...上がり口には下足番がいて...
野村胡堂 「胡堂百話」
...上がり口の叩きに...
森鴎外 「雁」
...二階の上がり口は長方形の間の...
森鴎外 「心中」
...上がり口との中途あたりで...
森鴎外 「心中」
...ピタリ、ピタリという無気味な足音が、さっきから家のまわりを廻っていたが、お吉が針箱を置きに立つと一緒に、「ご免――」といいながら、上がり口に、ぞろりと三つの影が立ちふさいだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...上がり口の土間に見馴れない履物が脱いである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...梯子段の上がり口が三畳...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...ぼくは上がり口の三畳に机とじょうばんをすえて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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