...黙ったまま三和土(たたき)の上に立った...
有島武郎 「星座」
...三和土(たゝき)になつた流場の隅を指した...
石川啄木 「天鵞絨」
...熱い涙がポツリポツリと眼鏡にあたってはプラットホームの三和土の上に落ちた...
伊藤野枝 「わがまま」
...番台横の三和土(たたき)を覗いてみたが...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...狭い三和土(たたき)にさまざまのあまり上等でない下駄が足の踏み立て場のないくらいにつまっていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...汚い下駄の散乱した三和土(たたき)に降り立った...
高見順 「如何なる星の下に」
...風呂場へ通じる三和土(たたき)の上に一種きは立つた明さで流れてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...昔田舎(いなか)の家には普通に見られた三和土製(たたきせい)円筒形の小便壺(しょうべんつぼ)の内側の壁に尿の塩分が晶出して針状に密生しているのが見られたが...
寺田寅彦 「自由画稿」
...中年婦人が狭い三和土(たたき)の小路を通って案内してくれる...
外村繁 「澪標」
...「まあね……」と彼女は三和土の上で靴を脱いでる夫の肩に手を置いて声だけを難儀らしくして云つた...
中原中也 「蜻蛉」
...曰「暗く湿つぽい三和土の上で狆が※をした」どんな男でも寡婦と云ふと、小奇麗な格子、三和土、そして狆を想起する常識を持ち合はして居よう...
仲村渠 「詩と詩集」
...三和土(たたき)の上から訳(わけ)もなくぶら下がっている鉄灯籠(かなどうろう)だの...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...男は私を玄関の三和土(たたき)の上框(あがりかまち)に座布団を置いて坐わらせた丈で...
西尾正 「陳情書」
...台所の三和土(たたき)の上には...
林芙美子 「清貧の書」
...啓吉には三和土(たたき)の道が...
林芙美子 「泣虫小僧」
...暗い三和土の上でいっとき黒犬が降りて来いと甘えて吠えていた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...人聲と穿物(はきもの)の三和土(たゝき)にこすれる雜音などが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...外の明るみに馴れた目には窖(あなぐら)の入口のように思える三和土(たたき)の玄関を入ってみた...
「朝の風」
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