...万遍なく見上げたり...
芥川龍之介 「芋粥」
...みなこれをお客様に万遍なく奉仕しているつもりである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...万遍なく己が手足と知識とを働かすゆえに...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...そこで今この種板の面に接近して針のようなものを万遍なく動かし...
寺田寅彦 「話の種」
...どこの出先からも万遍なくお座敷がかかって...
徳田秋声 「縮図」
...同じくらゐの割合で万遍なく握手をした...
ボードレール 富永太郎訳 「午前一時に」
...ただ細かい注意を万遍なく注いで...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...万遍なく方々へ行って...
夏目漱石 「それから」
...全体の知識が万遍なく行き渡っていると誤解して信用をおきすぎるのです...
夏目漱石 「道楽と職業」
...もっとも河豚のふくれるのは万遍なく真丸(まんまる)にふくれるのだが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...社交態度が全く万遍なくて何うしても見究められない――」愛嬌に富んだ煙草の喫ひ方をしながら...
牧野信一 「女に臆病な男」
...あれだけの定つた顔かたちの上に万遍なく現すために...
牧野信一 「病状」
...万遍なく地上のものと溶け合つてゐた...
牧野信一 「妄想患者」
...上京するたび柳美館の名に因(ちな)んで柳派の落語家は全部万遍なく誰彼と贔屓にしていた...
正岡容 「寄席」
...部長は柔かいハンカチで万遍なく口の囲りを撫でた...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...万遍なく左右の知った社員たちに会釈(えしゃく)を振り撒(ま)き...
横光利一 「上海」
...時間を計って氷に万遍なくシャンパンの触れるようにと壜を廻しに現われた...
横光利一 「旅愁」
...あいさつは、万遍なくしたが、たれが何なのか、人ごみの中でよく分からない...
吉川英治 「随筆 新平家」
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