...徒(いたづ)らに万巻の書を読んでゐる文人墨客(ぼくかく)の徒を嫌つてゐたらしい...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...ために万巻の史書泣動し...
石川啄木 「閑天地」
...人間の貴い脳漿を迸ばらした十万巻の書冊が一片業火に亡びて焦土となったを知らず顔に...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...書庫の万巻の蔵書がタダで読めることで...
梅崎春生 「Sの背中」
...万巻いや千巻くらいの書を読みちらしたり...
太宰治 「花吹雪」
...万巻の書より得た知識...
田山録弥 「墓の上に墓」
...われこれを見し時咄嗟(とっさ)の感慨あたかも万巻の図書咸陽一炬(かんよういっきょ)の烟(けむり)となれるが如き思ひに打たれき...
永井荷風 「書かでもの記」
...然し一目に幾万巻の古書を眺め渡して同じ本にても板のよきもの悪しきものいろ/\と見較べる便利ありて買手には甚重宝なり...
永井荷風 「古本評判記」
...万巻の書は結局、たゞ貴方の心を悲しめ、憂鬱にさせるためだけに存在するといふことにお気づきになりましたか、先生?」「違ふ――」と私は、思はず「モッケ」から翻つて「突き」の構へで帷に向つた...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...むねに万巻のたくはへなく心は寒く貧くして曙覧におとる事更に言をまたねば...
正岡子規 「曙覧の歌」
...「読書万巻一要醇...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...万巻読書看破去...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...万巻楼の主人は大伝馬町(おおでんまちょう)の袋屋亀次郎(ふくろやかめじろう)で...
森鴎外 「渋江抽斎」
...庫中万巻の書を見る自由をゆるされているのは...
吉川英治 「三国志」
...たとえ万巻の書が胸中におありであろうと...
吉川英治 「新書太閤記」
...書庫には万巻の書を蔵す...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――人間を観る眼、時勢を観る眼を、人すぐれてお持ちのあなた様が、いかに逆上されているとは申せ、御自身を観る眼を、そこまで、盲目におなりなされてしもうたとは、この孫平治には信じられませぬ、万巻の書も、かくては、あなたに取って、何のお役にも立たぬものでした...
吉川英治 「茶漬三略」
...大蔵(だいぞう)へ入って万巻(まんがん)を読み...
吉川英治 「宮本武蔵」
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