...万が一にも仕損じる気づかいはないと断言したそうだ...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...「万が一そんなこと世間い聞えてみいな...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...その頼みというのは、軽井沢の時は、場合が場合だから、お前の助太刀(すけだち)で難を遁(のが)れたが、いつも道庵は、用心棒がなければ独(ひと)り太刀が使えねえということに見られると名折れだから、今度、途中で万が一、いかなる狼藉者(ろうぜきもの)が現われようとも、お前は手出しをしてくれるな、道庵は道庵だけの能ある爪を持っている、平常は隠して用いないが、いざとなれば奥の手を出して、いかなる敵にもおくれを取るものではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...万が一にも行きつまれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...万が一のときは、俺(おれ)は見そこなったのだなんていう事は逃口上(にげこうじょう)にしかならない...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...だから万が一には彼だって...
原民喜 「少年」
...でも万が一、国王がご旅行お遊ばされない場合は……」女王がホッホッとお笑いになられた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...万が一にもという心持ちから...
牧逸馬 「土から手が」
...万が一にも尻尾(しっぽ)を掴まれる筈はない...
山本周五郎 「追いついた夢」
...もし戸塚が万が一にも赤い主義者だったら大変じゃねえか...
夢野久作 「オンチ」
...ところで万が一にもそのような人物が...
夢野久作 「斬られたさに」
...度々の実験に成功されたそうですが……もちろん万が一にも...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...万が一犯人として捕まったとしても...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...殿からのいいつけを聞くと、権太夫は、「なに、尾張中将様の御一子万太郎君(ぎみ)がそちの家に? そりゃ稀有(けう)なことじゃ、万が一、お粗相でもあっては、お家の一大事」とばかり、蒼惶(そうこう)として供揃(ともぞろ)いの用意をさせ、玄堂を案内に、自身は徒歩(かち)で、一挺の塗駕(ぬりかご)を清掃して早々迎えに出向く...
吉川英治 「江戸三国志」
...万が一、きさまが縄になったら続いては梁山泊一統に禍(わざわ)いがおよんで行こう...
吉川英治 「新・水滸伝」
...娘時代のそうした気持がわかるだけに、妻女のおかやには、「お那珂さん、御舎弟の磋磯之介様が、万が一にでも、ここへおいでになったら、きっと会わせて上げますから、それまでは、主人のいうように、あまりここへは来ない方がようございますよ」その程度にしか、いえないのである...
吉川英治 「旗岡巡査」
...(万が一にも、師の巌流先生が敗れた時は、武蔵を、生かして島から帰すまいぞ)と、密(ひそ)かに、盟(めい)を結んだ輩(ともがら)が、藩の布令(ふれ)をも無視して、二日も前から、船島へ上がってきょうを待ち構えていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...もし綱を引いても、パラシュートが開かなかったら!千が一、万が一、いや絶対に、黒吉は生きてこの地上に立つことは出来ないのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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