...巡査が犯人を逮捕に行くとなると、向うが抵抗するかも知れないと云ふ不安があるでせうが、軍艦の中ではそんな事は、万々ありません...
芥川龍之介 「猿」
...私は明智に限って万々へまな真似はしまいと信じていましたが...
江戸川乱歩 「黒手組」
...左部氏は漸く昨日帰京軍資欠乏と人少なとにて万々差支居候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...同居人を取り巻くささやかな謎でさえ万々歳で...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...かかる場合においては万々やむをえず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...蜘蛛にとっては万々歳である...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...いつでも撲殺(ぼくさつ)し合うなどというような厄介なものでは万々ないと私は信じているのです...
夏目漱石 「私の個人主義」
...漏らしてはならぬぞ、万々一、人の耳に入ったら最後、江戸中の騒ぎにならずには済むまい」「ヘエ――」笹野新三郎は自分も膝行(いざ)り寄って、平次を小手招(こてまね)ぎました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御面晤の折万々御披露可致候二...
久生十蘭 「金狼」
...万々一鶴子嬢の自殺の件が漏洩するようなことがございましょうとも...
久生十蘭 「魔都」
...万々酒席等に於て失策のなき様祈り居り候 尚夏期用の外出者のなきことを思ひ出し候故公式以外の訪問用としての衣服羽織袴等一組新調の物同封いたし置き候……」夕方六時から日本橋の何とかと称ふ...
牧野信一 「蝉」
...倅音取柚太こと度々ながら貴殿の御迷惑を病し汗顔至極の至りに御座候も来る××日夕刻同伴の上参上致しその節万々申し上ぐべく候故...
牧野信一 「月あかり」
...たちまち「社会主義的リアリズム的創作方法万々歳」と言ったふうの評論が現われたりする...
三好十郎 「恐怖の季節」
...大坂より已来尾の道大輻湊の地なれども赤馬関は勝ること万々ならん...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...誠に万々一之御備に漢科之者御供被仰付候儀と奉存候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...老人の微衷万々お察し願上げ候...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...千万々々御残多存候...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...こちらも信頼しないわけでは万々ない...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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