...巡査が犯人を逮捕に行くとなると、向うが抵抗するかも知れないと云ふ不安があるでせうが、軍艦の中ではそんな事は、万々ありません...
芥川龍之介 「猿」
...左部氏は漸く昨日帰京軍資欠乏と人少なとにて万々差支居候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...万々そんなことはあるまいと思う...
谷崎潤一郎 「細雪」
...万々(ばんばん)失策に出で候て...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...」節(ふし)は「アンリ四世万々歳」の歌と同じだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さういふ事実は万々起る筈(はず)はないのだけれども...
夏目漱石 「点頭録」
...万々一新聞にでも掲載されるような事になると...
野村胡堂 「女記者の役割」
...正直と馬鹿力が取得のガラッ八が、万々一、その頃の岡っ引の習慣に引摺り込まれて、うっかり役得でも稼ぐ気になったら、貧乏と片意地を売物にしてきた、平次の顔は一ぺんに潰(つぶ)れることでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――万々一お小夜がどうかすると?」「そんなことは考えても見ませんよ」金之助は向っ腹を立てたらしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その功能(こうのう)は学校教育の成跡(せいせき)にも万々(ばんばん)劣(おと)ることなかるべし...
福沢諭吉 「旧藩情」
...しかしこの歌を後世の俗気紛々たる歌に比ぶれば勝ること万々に候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...数年前より読書の極は終に我身体をして脳病か肺病かに陥らしむるとは万々承知の上なり...
正岡子規 「読書弁」
...そう云っただけで良人のひとがすぐ諒解出来ないということは万々わかりながら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...不日拝謁万々賀儀可申陳候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...(c)だって万々一...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ナポレオン」に勝ること万々なるも...
山路愛山 「英雄論」
...お志は万々うれしいが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...近ごろ寨首(さいしゅ)となった宋公明(そうこうめい)(宋江)は決してただの旅人衆に害を加えるようなことはしないが、でも万々、お気をつけなすって、というのであった...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??