...万々(ばんばん)道理には候へども...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...有島氏も万々承知してゐるが...
薄田泣菫 「茶話」
...万々間違いはないと思うけれども……」こう言っているうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...漏らしてはならぬぞ、万々一、人の耳に入ったら最後、江戸中の騒ぎにならずには済むまい」「ヘエ――」笹野新三郎は自分も膝行(いざ)り寄って、平次を小手招(こてまね)ぎました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...頬摺(ほおず)り位はしたっていいとも、万々一だよ、髯を剃った跡があったら、其処で縛(しば)って構わねえ」「あの、お比奈坊が、三千両泥棒のお小姓ですか、親分」「まだわからねえよ、――それからこう言うんだ、親分の平次が、泥棒の隠した三千両を見付けたそうだから、今晩は取出すことになって居ると――」「本当ですか、それは?」「本当なら、こんなことをお前に頼むものか」「ヘェ、何が何んだかわからなくなりましたね」八五郎は平次の思惑(おもわく)を測(はか)りかねて、眼をパチ/\させて居ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかし万々のまちがいもなく今に知事の口にありつかれようとしている人間にとっては...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...しかしこの歌を後世の俗気紛々たる歌に比ぶれば勝(まさ)ること万々(ばんばん)に候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...こんどは達ちゃんもおかみさん子供もあっての出征で、万々ガ一、どんなことがあるかもしれないから、分家戸主の届けをしようと云っていらっしゃり、それはいいでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しかし万々心配はありませんが?吉村 わしはよいが...
三好十郎 「斬られの仙太」
...書余後便万々...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...もしも万々一それが悪かったらどうしよう...
柳田國男 「夢と文芸」
...此上とも何卒(なにとぞ)御用心被遊候様御願申上候尚過日は沢山の御手当を頂戴仕り万々難有御礼申上候...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...相良金吾(さがらきんご)という家来が仲間にやつして入り込んで来たのも万々承知の上で...
吉川英治 「江戸三国志」
...ご主君みずからねぎらい給えば荊州の富強はいよいよ万々歳と思われますが...
吉川英治 「三国志」
...万々の礼をのべるため...
吉川英治 「私本太平記」
...おそれ多いとも万々わかっていたが...
吉川英治 「私本太平記」
...ちがいはない!だが――万々一...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...気づいてはおりますまいな」「そんな憂(うれ)いは万々ござりませぬ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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