...「方庵を、早く――」侍女は、七瀬の声と、顔が、ただでないのを見て、襖を閉め残したまま、小走りに行った...
直木三十五 「南国太平記」
...寛之助の死は、斉彬にとって、後嗣(あとつぎ)を失う大事であると共に、七瀬にとっても、仙波の家を去らなければならぬ大事であった...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬の眼を見た斉彬の睫毛には...
直木三十五 「南国太平記」
...母としての七瀬は...
直木三十五 「南国太平記」
...「はははは、この盆が越せるやら、越せぬやら」益満は、笑って「時に、七瀬殿、某と、小太との計(ほかりごと)が、うまく行く、行かぬにせよ、大阪表へ行って、調所を探る気はござりませぬか」「さあ、話に――よっては――」七瀬は、八郎太の顔を見た...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬は、小太郎の膝を見て「ひどい泥が――」と、眉をひそめた...
直木三十五 「南国太平記」
...じっと見つめて「他言する事ならぬぞ」七瀬が「まあ...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬は、次の間の箪笥(たんす)を、ことこと音させていたが「お支度が出来まして、ござります」八郎太は、箱を置いて「元のように入れておけ」と、小太郎へやさしくいって立上った...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬は、その瞬間、深雪の背をぐっと抱き締めたが、すぐ「未練な」やさしく、深雪の指を解いて、押し放した...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬は、二人の丁度間へ坐って「如何ようの?」「国許では、御変死、と噂しておりますが――」池上は、こういって、七瀬の顔を、じっと見た...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬は(夫のことを聞こうか、聞くまいか)と、思案した時、その人も、七瀬を見つけた...
直木三十五 「南国太平記」
...危険が迫るのか?)七瀬には...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬が振向くと、駕の中の人の眼が光って「七瀬殿、何を愚図愚図」と、叫んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...女を斬りもしまい」七瀬は...
直木三十五 「南国太平記」
...大体いかんね」七瀬は...
直木三十五 「南国太平記」
...「よく似た顔じゃが――」七瀬は...
直木三十五 「南国太平記」
...綱手は(不服どころか――嬉しゅう思いますし、兄も、聞いたなら、さぞ喜びましよう)と、思いはしたが、七瀬が、固く、月丸に対して、夫とは反対ゆえ、と、いいきっていたから(お頼み申します)とは、云えなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...七瀬を殺したくなかった...
直木三十五 「南国太平記」
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