...一齣一齣(いつせついつせつ)の上で云へばやはり戯曲的に力強い表現を得た個所がある...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...やがて人生と云ふ大走馬燈の一齣々々を成し行くものなるを思へば...
石川啄木 「閑天地」
...坐右の綺譚一册をとつて左の一齣を誦さずにはゐられない...
心猿 「荷風翁の發句」
...僕はこの小説の一齣一齣の描寫の間に...
太宰治 「道化の華」
...と取りかかつた一齣であつたが...
太宰治 「道化の華」
...帰りは静岡へ寄って老父や老母相手に一齣(ひとくさり)大村の懐旧談に花を咲かせました...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...あぶないきたない仕舞湯であたゝまる・からりと晴れた朝の草鞋もしつくりなか/\よい宿だが、なか/\忙しい宿だ、稲扱も忙しいし、客賄も忙しい、牛がなく猫がなく子供がなく鶏がなく、いやはや賑やかなことだ、そして同宿の同行は喘息持ちで耄碌してゐる、悲喜劇の一齣だ...
種田山頭火 「行乞記」
...誰も彼もアイスキヤンデーを食べる、現代風景の一齣...
種田山頭火 「其中日記」
...しかし多くの著者は本木の活字完成を印刷歴史の一齣としてゐる傾向があつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...第十四編 絶望の壮観一 軍旗――第一齣(せつ)まだ何事も起こってこなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...五秒一齣くらいで撮っているので...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...音次郎お京心中の一齣(こま)を報告するのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一齣(ひとくさり)ご披露しよう...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...わかい日読んだ鏡花つくるの一齣のやうだ...
正岡容 「下町歳事記」
...芥川さんの何かの小説に「読経を新内のように聴いていた」という一齣(ひとこま)がありましたね...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...そゞろポーがアッシャ館の一齣をさへ想起せりけり...
正岡容 「山の手歳事記」
...能楽喜多流の『舞い方及び作法の概要』と名づくる心得書の中に示されてある「鼻の表現」に関する一齣(せつ)であります...
夢野久作 「鼻の表現」
...少年の日の思い出の一齣(ひとこま)として...
吉川英治 「平の将門」
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