...わたしは花井邸訪問の一齣を次のやうに書いてゐます...
石川三四郎 「浪」
...あぶないきたない仕舞湯であたゝまる・からりと晴れた朝の草鞋もしつくりなか/\よい宿だが、なか/\忙しい宿だ、稲扱も忙しいし、客賄も忙しい、牛がなく猫がなく子供がなく鶏がなく、いやはや賑やかなことだ、そして同宿の同行は喘息持ちで耄碌してゐる、悲喜劇の一齣だ...
種田山頭火 「行乞記」
...誰も彼もアイスキヤンデーを食べる、現代風景の一齣...
種田山頭火 「其中日記」
...最後の場面の一齣は不快だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...街頭に於ける悲喜劇一齣はこゝに書くにも忍びない...
種田山頭火 「其中日記」
...又實に外交劇の能事を盡くしたる一齣なりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...音次郎お京心中の一齣(こま)を報告するのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...フィルムの一齣(こま)ではないかとおもわれた...
原民喜 「美しき死の岸に」
...その一齣はそのまま家にいる妻の方に伝わっているのではないかとおもえた...
原民喜 「美しき死の岸に」
...一齣(ひとくさり)ご披露しよう...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...その一齣を丁寧に折り疊んでは...
堀辰雄 「エトランジェ」
...男純情の……等と時花唄(はやりうた)の一齣を自ら奏で且つ諷つてゐた...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...わかい日読んだ鏡花つくるの一齣のやうだ...
正岡容 「下町歳事記」
...これはその初めの僅かな一齣(ひとこま)にすぎないのだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...投扇の起源という一齣(ひとくさり)まで読んで聞かせました...
吉川英治 「江戸三国志」
...やはり生涯の貴重な一齣になつてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...おもしろくもないみじめな人生の一齣などを...
吉川英治 「折々の記」
...シナの思想史上最も注目すべき一齣(いっせき)たる禅宗は...
和辻哲郎 「孔子」
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