...われわれが重大使命を果(はた)す上に一頓挫(いちとんざ)を来たすことになる...
海野十三 「流線間諜」
...この一頓挫で文太郎の心は稍靜まつたのであらうかそれとも疲勞を極めたのであらうか暫く靜平な状態を續けて眠りに落ちたやうであつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...一頓挫(いちとんざ)のかたちであつた...
太宰治 「富嶽百景」
...一寸一頓挫を来たした...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...そこでせつかくの場面が一頓挫してむしろ喜劇になつてしまつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...充分に成果を見るに到らぬ以前に一頓挫(とんざ)をきたし...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...たとえ原爆戰で一頓挫を來しても...
長岡半太郎 「ノーベル小傳とノーベル賞」
...これがために一頓挫して...
中里介山 「大菩薩峠」
...此処に芸術は一頓挫した...
中原中也 「生と歌」
...ガクリと一頓挫した形の処が多い...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...また此処で一頓挫しなければならないことになった...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...我(わが)短歌会は昨年の夏より秋にかけていちじるく進みたるが冬以後一頓挫(とんざ)したるが如し...
正岡子規 「墨汁一滴」
...此所で彼は一頓挫(いちとんざ)を来した...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...一頓挫を來しましても少し荊棘が生えましても...
森鴎外 「假名遣意見」
...一頓挫を来たさないわけにゆくまい...
吉川英治 「私本太平記」
...すべてはここに一頓挫のほかはなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...一頓挫を来たしたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...一頓挫を来たしたように見えた...
和辻哲郎 「鎖国」
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