...その人は一途なものを失っているので...
上村松園 「無題抄」
...文学に対する一途な情熱を持ち...
宇野浩二 「思ひ出すままに」
...正直一途な、眞正面からの、生理的全存在的な、繪畫そのもの、表現そのものへの追求以外に、彼には特別な異質が無い...
高村光太郎 「正と譎と」
...ただ狂暴で一途な精神が彼女のうちに荒狂っているとしか思えなかった...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...広島へ行つた時のやうな一途な思ひはもうきんの心から薄れ去つてゐる...
林芙美子 「晩菊」
...踏みにじってやりたい一途な悪念にとりつかれていた折だったので...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...忠義一途なこころから...
久生十蘭 「金狼」
...再び眼の前に踊り現すなどといふ残酷な業が堪へ得るであらうか! たゞ一途なる情熱家である自分自身に...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...反省して見ると悉く一途な情熱の変形であつたことに気づいて...
牧野信一 「小川の流れ」
...捕らわれた君よガンジよ私は苦しい一途な心で今宵(こよい)君の「生命」をしみじみ祈らないでは居られないのだ...
松本淳三 「ガンジよ」
...常に正直一途な家臣としての運命でなければならなかった事情を...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...ついその賞め言葉に乗って一途な清子は無暗とお粥をこしらえる...
矢田津世子 「茶粥の記」
...一途な仙太の激しい気性を知っていたから...
矢田津世子 「凍雲」
...概して見ますと輪島のものも近頃の品は降(くだ)る一途なので...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...正直一途な性格で...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...あの一途な気持で……ええ...
吉川英治 「江戸三国志」
...(笑)さういふ一途な性格がございます...
吉川英治 「折々の記」
...先生の一途なるさまもなみだなれ家十ばかりなる村の學校にひたひたと土踏み鳴らし眞裸足に先生は教ふその體操を先生の頭の禿もたふとけれ此處に死なむと教ふるならめ遙か眞下に白々とした谷の瀬々を見下しながらなほ急いでゐると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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