...伊丹(いたみ)の鬼貫(おにつら)さへ芭蕉よりも一足先に俗語を使つてゐたかも知れぬ...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...僕は一足先に出て銀杏の下で民さんを待っていたんでさア...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...一足先にその中へはいりましたが...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...一足先に捜査を申出た...
大阪圭吉 「坑鬼」
...妾(わたし)達より一足先に今朝早く帰京させました為...
大阪圭吉 「花束の虫」
...あたしだけ一足先に出て来ると...
林不忘 「安重根」
...頭だけは一足先に渡のいるアパートへ吸われている...
戸田豊子 「歩む」
...私が一足先に帰る...
豊島与志雄 「復讐」
...洩れたのではない」「では、何うしてだ」「吉之助は、何故来ん」「大久保は?」人々が、口々に喋(しゃべ)り出した時「俺は、一足先に、お暇する」と、云って、立った者がいた...
直木三十五 「南国太平記」
...「どうか一足先においでなさいまし...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうしてあの丸い形の山は何だと聞いたら老婆の一足先に立ち止つて杖に兩手を掛けて居た一人の娘があれは月山だといつた...
長塚節 「旅の日記」
...一足先に行つて見てはくれまいか」「へエ――」「それから念の爲に言つて置くが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...先生より一足先に母屋に歸つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「一足先に――」と大股(おおまた)に急ぎだした...
本庄陸男 「石狩川」
...この男が私のくるまを見ると私より一足先に小走りになって...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...一足先に小田原へ行くといって...
吉川英治 「江戸三国志」
...一足先に出かけてくれ」叫ぶや否...
吉川英治 「江戸三国志」
...足軽などの順に――他の三藩より一足先に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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