...稍あつてから一足先に其の家を出て来たのであつた...
石川啄木 「道」
...一足先に来たというわけにちがいない...
海野十三 「爆薬の花籠」
...いつも女房の方が一足先に立って行く...
太宰治 「女の決闘」
...頭だけは一足先に渡のいるアパートへ吸われている...
戸田豊子 「歩む」
...わしは、今まで、武士としての半生を、空しく、過してしまった代りとして、これから後の半生を、益満より、一足先に、出ようとおもう」「資本(もとで)は、若旦那」「資本か」と、いって、小太郎は、笑った...
直木三十五 「南国太平記」
...我々は一足先に行手の村里へ参り...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうしてあの丸い形の山は何だと聞いたら老婆の一足先に立ち止つて杖に兩手を掛けて居た一人の娘があれは月山だといつた...
長塚節 「旅の日記」
...一寸(ちょっと)お顔を」一足先に...
野村胡堂 「女記者の役割」
...文句を言はずにお北さんと一足先に行くがいゝ」「それでは親分さん」二人は飛んで行きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...明神下の路地の中へ一足先に入つた曲者が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの女が一足先に幸吉に逢ったところで...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...事が一足先に露見したからには...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ラ・コートの村の旅籠屋(オテル)まで一足先に出発してちょうだい...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...「数馬はどうじゃった」「表門から一足先に駈け込みましたので見届けません」「さようか...
森鴎外 「阿部一族」
...太郎を一足先に学校へ送り出した...
夢野久作 「木魂」
...じゃ一足先に廻って...
吉川英治 「剣難女難」
...一足先に江戸へ入った万吉は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...八十三郎、そちは、この馬鹿者を逃がさぬようにしょッ曳(ぴ)いて、一足先に、屋敷に帰っておれ...
吉川英治 「松のや露八」
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