...彼は一足先に学校に行った...
...稍あつてから一足先に其の家を出て来たのであつた...
石川啄木 「道」
...僕は一足先に出て銀杏の下で民さんを待っていたんでさア...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...今やそのT―が何うやら一足先きに退場するのではないかと思はれて来た...
徳田秋聲 「和解」
...わしは、今まで、武士としての半生を、空しく、過してしまった代りとして、これから後の半生を、益満より、一足先に、出ようとおもう」「資本(もとで)は、若旦那」「資本か」と、いって、小太郎は、笑った...
直木三十五 「南国太平記」
...」と君江は急に明(あかる)い顔になって一足先にばたばたと下へ降り...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...わたしたちは一足先へ出かけているのです」「いや...
中里介山 「大菩薩峠」
...一足先に帰って来たよ」「別な人とは誰だ」「そこにいるよ」「どこに」「そこに」「誰もいないではないか」「いるよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうしてあの丸い形の山は何だと聞いたら老婆の一足先に立ち止つて杖に兩手を掛けて居た一人の娘があれは月山だといつた...
長塚節 「旅の日記」
...一足先へ出た長蔵さんが...
夏目漱石 「坑夫」
...嫂と縫子の蝙蝠傘(こうもりがさ)を提げて一足先へ玄関へ出た...
夏目漱石 「それから」
...一八六〇)遣米使節を迎えにきた米国汽走軍艦「ボーハタン」より一足先に品川を発って三十七日かかってサンフランシスコへ直航した...
服部之総 「咸臨丸その他」
...金五郎は、単身、一足先に、宿を出た...
火野葦平 「花と龍」
...すべてを見とどけて、一足先に、気づかれぬよう帰るところだ...
本庄陸男 「石狩川」
...「一足先に――」と大股(おおまた)に急ぎだした...
本庄陸男 「石狩川」
...一足先に兼吉さんが来て...
森鴎外 「そめちがへ」
...「わし達は一足先に無動寺へ参っておるから...
吉川英治 「親鸞」
...それより一足先に...
吉川英治 「夏虫行燈」
...「船で、待っていますよ」お喜代は、一足先に行って、船宿で茶を喫(の)んでいた...
吉川英治 「松のや露八」
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