...一見して、ガサ(家宅捜索)のあとと分るようにひどく取り散らかっているというのではないが、ものの位置が変っているあたり、ぴんとくるものがあった...
高見順 「いやな感じ」
...一人は髪の毛の長い、色の白い、薄痘痕(うすあばた)のある、背の高い男で、風采は何所(どこ)となく田舎臭(ゐなかくさ)いところがあるが、其の柔和な眼色(めつき)の中(うち)には何所(どこ)となく人を引付ける不思議の力が籠(こも)つて居て、一見して、僕は少なからず気に入つた...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...一見して大地の草を喰らう野牛の大群でも近づいているのではないかと思っただろう...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...処で之は一見して明らかに玉石混淆であり...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...一見して学者風の紳士が立っている...
外村繁 「落日の光景」
...八郎太が、受書をして、二人の前へ差出すと、一見してから、洞川が「それで――」と、一寸、いい淀んで「三日の内に、退転されるよう」「三日?」「左様」八郎太の顔は、怒りで、だんだん赤くなってきた...
直木三十五 「南国太平記」
...また見物を見に来るのでもなく盆の上の勝負を争いに来るのだから一見してこの社会の者ということが知れるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...一見して賢げというよりは...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼が最も柄の小さく平素一見して女形の如き服装をして居る点を考えたからであります...
西尾正 「陳情書」
...一見して堂堂たる城廓であることが直感され...
野上豐一郎 「ウォリクの城」
...一見して明らかだが...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...質の程度」は一見して発見できるので...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...この男は一見して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...こはいはでもの事なるを或る人がはやこと切れたる病人と一般に見做(な)し候は如何にも和歌の腐敗の甚しきに呆れて一見して抛棄したる者にや候べき...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...一見して親子とわかる目鼻立の母親に面して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...その緑色の目も白晢の容貌も一見して支那人では無い...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...何故一見して兵庫と認めたかは...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...ご使用の鎖鎌(くさりがま)ですか」それを一見しておくのも後学のためであると考えて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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