...植字工は一見して彼の欲する活字を知る...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...人或は一見して云はむ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...一見して誰にでも児煩悩(こぼんのう)であるのが点頭(うなず)かれた...
内田魯庵 「最後の大杉」
...一見して婦人と思われるワンピースか何かの婦人服を着なければならない筈だからね...
大阪圭吉 「花束の虫」
...死ぬ頃になっても五十歳を超えた女性とは一見して思えなかった...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...そこと正文夫婦の住む母家(おもや)との間には一見して判る気風の相違が現れてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それは一見して、ごくつまらない、誰の眼にも立たないようなことでしたが、これこそあのカタストロフを引き起す原因となったのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...これは一見して内地人ではないと解る方の男にも私は一寸頭を下げた...
中島敦 「虎狩」
...その題目を一見してもこれを知ることが出来る...
穂積陳重 「法窓夜話」
...待ち人が来てゐなかつた事が一見して解るのである)笠太 ……(石に蹴つまづき...
三好十郎 「妻恋行」
...馴れた漁夫は一見してこれは居着これは乗込(のりこみ)と鑑別(みわ)けます...
村井弦斎 「食道楽」
...私が一見して看破したことは度々ある...
森鴎外 「二人の友」
...矢代は一見して、その単調な厳しさからカソリックの千鶴子のしつけが頷かれた...
横光利一 「旅愁」
...一見してみなあきれた顔であった...
吉川英治 「上杉謙信」
...屋形船といっても、これは、一見して、普通の町人用のものとは違った造り、金鋲(きんぴょう)御簾(みす)づけの絢爛(けんらん)な三挺櫓(ちょうろ)であるが、暴風雨は公平に、この高貴なご料をも、さんざんに揉み悩ましたものと見えて、紫のまん幕、金襴(きんらん)ぶちの御簾(みす)までが、無惨に吹きちぎられていた...
吉川英治 「剣難女難」
...おれが一見しておけば...
吉川英治 「私本太平記」
...どうしてこれを一見して観破(かんぱ)したかを...
吉川英治 「人間山水図巻」
...鍛(う)ちおろしの中身(なかご)を一見して...
吉川英治 「山浦清麿」
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