...東洋史を一見しても明かである通り先進國として誇り得る理由は逆に支那の方が遙に多くを持ち合せて居ると云ふ方が正しいのである...
橘樸 「支那を識るの途」
...すなわち我々は一見して故伯爵には何か故障のようなものがあったんだなということをすぐに覚(さと)りました...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...一見してはまつたく分明ではなく...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...事実一見して非常に奇麗なことである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...一見してみすぼらしい代物に違いなかった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...すこしじだらくな風態だが一見して高等教育を受けた男だということがわかる...
久生十蘭 「金狼」
...喜劇の登場人物と挿話は、おなじみの親しい類いのものであり、たとえ一見して、作り話、つまり、純然たる空想の所産だと知られていても、容易に想念に入り込んで堅苦しい儀式抜きに受容されるのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...ということは我々には一見してわかるよ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...一見してかび臭い城出身...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...一見していかにも寥々たる武州大塚村の形相がうかゞはれ...
正岡容 「巣鴨菊」
...こはいはでもの事なるを或る人がはやこと切れたる病人と一般に見做(な)し候は如何にも和歌の腐敗の甚しきに呆れて一見して抛棄したる者にや候べき...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...一見して容易ならぬ学者だという事がわかる...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...一見してみなあきれた顔であった...
吉川英治 「上杉謙信」
...次郎の目にも一見して...
吉川英治 「江戸三国志」
...芍薬(しゃくやく)の枝の切り口を一見して...
吉川英治 「宮本武蔵」
...年ばえ二十四、五歳、若いが、革足袋(かわたび)の先から髪の毛まで、一見して、能(のう)もなく育って来た骨がらでないものを備えていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...高等な植物とは一見して判るけれど...
蘭郁二郎 「植物人間」
...われわれは一見して...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索