...風起雲湧の中に漂う一葉の舟に乗って、夕日を眺める...
...一葉が熟語として使われる場合はありません...
...一葉の扁舟さへ見難かりし太平洋は...
石川啄木 「閑天地」
...僕はそれを開けてみたら、芥川が口で言つてゐること以外の事情もわかつて、生きてゐてもらへる對策も立たうかと思ひ、僕のところの勝手口にみえた夫人に次第を述べて、夫人の前で開封して讀んだが、それが、一葉の書簡箋に、〔南部修太郎と一人の女を(□夫人)自分自身では全くその事を知らずして共有してゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...一葉のものもあり...
大町桂月 「足柄の山水」
...極く粗末な写真の絵葉書一葉ほどにも...
相馬御風 「実物と模型」
...水際(みぎわ)なる蘆(あし)の一葉も紅葉せり十月二十七日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...一葉の消息だに無く...
太宰治 「HUMAN LOST」
...庫裡(くり)の奥庭に一葉ちるもさびしく...
田山花袋 「田舎教師」
...一葉(いちよう)女史をはじめて多数の閨秀作者(けいしゅうさくしゃ)が秋の野の草花のように咲きそろっていた...
寺田寅彦 「科学と文学」
...北氷洋の氷の割れる音は近づく運命の秋を警告する桐(きり)の一葉の軒を打つ音のようにも思われるのである...
寺田寅彦 「北氷洋の氷の割れる音」
...――――――――紅葉青山水急流“Er ist dahin, der ssse GlaubeAn Wesen die mein Traum gebar,Der rauhen Wirklichkeit zum Raube,Was einst so schn, so gttlich war”――Schiller : Die Ideale.桐の一葉をさきだてゝ浮世の空に音づれし秋は深くもなりにけり...
土井晩翠 「天地有情」
...斯くて一葉の印刷物を記者に渡たしたる彼れは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...本郷丸山の風俗の一葉女史が名作『にごりえ』に描かれたるを以て第一となすべし...
永井荷風 「桑中喜語」
...あんまり一葉女史を知ろうために...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...多分は一葉君の気魄(きはく)の人を圧するようなところがあったからであろう...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...娘のすゝめに従つて、一葉を読み、荷風を読みしてゐるうちに次第に僕も現代小説に興味を持ちはぢめ、「新小説」「中央公論」「スバル」などゝいふ雑誌の読者になつて、潤一郎の新作を待ち兼ねたり、勇の歌を喜んだり、万太郎の作物を愛読しはぢめたりした...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...彼は眉を顰(しか)めて一葉の名刺を撮上(つまみあ)げた...
松本泰 「秘められたる挿話」
...マレー人説には、虎食を卜うに、まず地に伏し、両手で若干の葉をとり熟視すれば、一葉の輪廓が、自分食わんと志す数人中の一人の形にみえるが首はない、すなわちその人と決定し食うと...
南方熊楠 「十二支考」
...一葉女史の小説の世界だの...
吉川英治 「折々の記」
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