...ふと気が付くと葉子はしゃがんだまま一茎の名もない草をたった一本摘みとって...
有島武郎 「或る女」
...彼の心は一茎の草花にも洽(あま)ねき恵みと美との自然の大慈悲心に融合するに至り...
石川啄木 「閑天地」
...諸子先づ三尺の地を割いて一茎の花を植ゑよ...
石川啄木 「閑天地」
......
内村鑑三 「楽しき生涯」
...一茎草を拈(ねん)じて丈六の仏に化することもわるくないが...
種田山頭火 「白い花」
...南無一茎草如来である...
種田山頭火 「道〔扉の言葉〕」
...一茎の花もないが...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...一茎の鈴蘭(すずらん)をつけた小女工らが少しいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...泥池の中から真直に一茎を伸して...
豊島与志雄 「蓮」
...その花の一茎を手早く摘み取って...
中里介山 「大菩薩峠」
...その一茎の花を今度は自分の鼻頭(はなづら)へあてがって...
中里介山 「大菩薩峠」
...小野蘭山(おのらんざん)の『本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)』巻之十一「大薊小薊」の条下に「鶏項草ハ別物ニシテ大小薊ノ外ナリ水側ニ生ズ陸地ニ生ズ和名サワアザミ葉ハ小薊葉ニ似テ岐叉多ク刺モ多シ苗高サ一二尺八九月ニ至テ茎頂ニ淡紫花ヲ開ク一茎一両花其花大ニシテ皆旁ニ向テ鶏首ノ形チニ似タル故ニ鶏項草ト名ク他薊ノ天ニ朝シテ開クニ異ナリ」と述べてサワアザミが明らかに書かれている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...憩っていると手の中にやがて夜毎に新しく一茎の薔薇がほころび初(そ)め濃き紅(くれない)に ふくいくたるは何故だろう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...草心尼の姿が一茎(けい)の野の花みたいに弱々と見えた...
吉川英治 「私本太平記」
...一茎(けい)の秋草みたいに...
吉川英治 「私本太平記」
...一粒の米でも一茎(くき)の野菜でも...
吉川英治 「宮本武蔵」
...雪菜の一茎(くき)を入れて...
吉川英治 「山浦清麿」
...内十六人は各造花一茎をささげ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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