...彼は自分の人生を渾沌から救い出すため、一縷の望みを抱いていた...
...一縷(いちる)の望みにたよりながら...
芥川龍之介 「偸盗」
...この混沌たる暗黒時代に一縷の光明を与ふるものは僕等の先達並びに民間の学者の纔(わづ)かに燈心を加へ来れる二千年来の常夜燈あるのみ...
芥川龍之介 「文部省の仮名遣改定案について」
...みのるは矢つ張りその一縷(る)の光りをいつまでも追つてゐたかつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...生涯その一縷の光りを追ひ詰めてゐたかつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...これならばと一縷(いちる)の希望を繋いだ...
オシップ・ディモフ Ossip Dymoff 森鴎外訳 「襟」
...ヘクト,ルになほも言句を吐かすべき一縷の望猶殘る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そこにまだ一縷(いちる)の望があるようにも思われる...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...そこに一縷(いちる)の望を抱(いだ)いた津田は...
夏目漱石 「明暗」
...一縷の望みを抱いて百瀬さんの家へ行く...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...せめても一縷(る)の空想を楽しみながら世を去らせてやりたいと思う位だ...
平林初之輔 「犠牲者」
...とにかく一縷(いちる)の望みだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...一縷烟出窓外...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ぽっと射(さ)し露(あら)われて来た一縷(いちる)の光線に似たうす光が...
横光利一 「微笑」
...「どうじゃ金吾……わしは何か一縷(る)の曙光が見えて来たような気がするが」「拙者にも...
吉川英治 「江戸三国志」
...固く唇(くち)をとじ合ったまま今はただ一縷(いちる)の望(のぞ)みを...
吉川英治 「三国志」
...正成は祈りにも似る一縷(いちる)の希望をそれにかけずにはいられない...
吉川英治 「私本太平記」
...雲の切れ間を見つけて一縷(いちる)の光を投げかけているような眉にも見える...
吉川英治 「親鸞」
...一縷(いちる)の望みを抱いて...
吉川英治 「親鸞」
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